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自治体の皆さまへ

【特集】地震は来る 私たちが、今、出来ること(2)

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愛知県南知多町

■南海トラフ地震への備え
愛知県派遣職員 防災危機管理室主幹 佐藤正幸(さとうまさゆき)
私は愛知県から南知多町に防災業務で派遣され、南知多町での勤務は今年で3年目となります。

◇南知多町について
南知多町は、県内では3市町しかない南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に指定されており、津波対策の強化が特に求められる地域です。
幸いなことに、この町では数十年大規模な災害が発生しておりませんが、南海トラフ地震が起きた際は甚大な被害が想定され、役場としても災害対策本部や避難所運営等、各種災害対応に追われ、町職員の不足が想定されます。

◇大規模災害で重要なこと
役場からの「公助」には限りがあり、町民の皆さまの生命を守るためには、自分の命は自分で守る「自助」、身近な地域コミュニティ等による「共助」が極めて重要となります。実際、阪神・淡路大震災では、倒壊家屋の下から救出された方の約8割は、家族や近隣の方々により救出されています。

◇南知多町の強み
南知多町に勤務し、この町の強みと感じることとして、すべての区で自主防災会が組織され、各地域で防災訓練を行うなど、防災対策を進めていける体制が各地区で整備されていることです。近年は各地域の自主防災会の代表者が一堂に集まり、取り組みや課題などを役場と検討しています。その他、県内の16町村の中で最も消防団員が多く、地域のことは地域で守るコミュニティが形成されていることも挙げられます。町に来て、消防団の皆さまがいかに町を支えているかを痛感しました。

◇日頃からの備え
南知多町は海や山に囲まれた自然豊かで素晴らしい地域である反面、津波だけでなく高潮や土砂災害などの災害にも注意が必要です。
皆さまには、
・ハザードマップにより自分が住む地域の特性を知る
・避難場所の確認
・家族等との連絡方法の確認
・家具の固定
・物資の備蓄(最低でも3日、できれば7日分の備蓄)
を心がけていただきたいと思います。

◇県からの派遣職員として
県の派遣職員の務めとして、県の防災上のノウハウを町へ残し、町の防災の底上げを図るとともに、町での経験を県の施策に反映させていくことだと思っています。以前、県の科学技術業務に携わっていた時、研究者の方が「科学技術と交流は似て非なるように見えて、交流あってこそ科学技術はより進歩していく」旨を言っておられました。人も職場も同じで、違う背景を持ったモノ・人が交わることで、変化や気づきが生まれると思っています。町の視点だけではなく、県から見た視点も踏まえて問題提起を行い、防災上の課題を自主防災会や町職員の方と話し合うことで、より災害に強い町になると考えています。本年11月には、自主防災会や学校と連携し、様々な視点を取り入れた避難所運営訓練を実施する予定です。

◇最後に
素晴らしい南知多町を、皆さまがより安心して暮らせる町となるよう、南知多町の防災力向上の一助になるべく、日々精進してまいります。温かく迎えていただいた南知多町の皆さまには大変感謝しています。

◆家具の転倒防止対策を行いましょう
地震発生時にケガをした人の約30~50%が、家具類の転倒・落下・移動によるものでした。少しのケガでも津波からの円滑な避難ができなくなる可能性があるので対策をしっかりしましょう。
また、倒れた家具が部屋の出入口を塞いでしまい、津波からの避難が遅れる危険性もあります。家具を固定することが難しければ、配置を見直すなど、できることからやってみましょう。

◆地区防災訓練の日程

南知多町では地区ごとに防災訓練を行っています。
誰でも参加可能ですので、気軽にご参加ください。
内海・山海地区防災訓練の時間に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。

◆地震への備え
◇南海トラフ地震の発生が懸念される
今後30年以内に発生する確率は70%~80%と言われています。

◇いざというときの避難場所・避難経路を決める
防災マップ等で自宅付近の危険箇所を把握し、避難場所とその行き方をあらかじめ確認しておきましょう。

◇町災害避難マップ・町ハザードマップ
本紙二次元コードをご覧ください。

◇安否確認・連絡手段
大規模な災害が発生すると、通信はストップします。ストップすると電話での安否確認が困難になります。
例えば、災害用伝言ダイヤル「171」の利用や、LINEのステータスのメッセージに「○○避難所にいます」や「職場にいます」と設定すれば、家族や友人に安否を伝えることができます。
あらかじめ災害時はどうやって家族間・友人間で連絡を取り合うか決めておきましょう。

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