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アダム見聞録 New

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愛知県大府市

■小っちゃなスターたちの今
国際交流員 Adam Simmonds

ポート・フィリップ市(オーストラリア連邦ビクトリア州)との姉妹都市提携をしてから30年間の交流で、多くの大府市民が関わってきた事業の一つが「ペンギン募金」です。ここでいうペンギンとは、ポート・フィリップ市に生息している世界最小のペンギン「リトルペンギン(フェアリーペンギン)」のことです。
大都会メルボルンの人たちの夏の遊び場として知られるセント・キルダのビーチから伸びる桟橋は、多くの人の思い出の場所です。その先に、1956年のメルボルン五輪に合わせて作られた防波堤があります。70年代から防波堤でペンギンが目撃されるようになり、桟橋周辺の再開発に備えて、ボランティアによるペンギンの調査が86年に始まりました。89年にペンギンの保護を目的の一つとしたボランティア団体「アースケア」が結成され、93年の姉妹都市提携以降、国際交流協会や市内の小・中学校など、多くの市民がその活動を募金で支えてきました。
90年代に100羽と推定されたペンギンの数は、現在約1400羽にまで増えました。知名度も上がり、多いときには1日に3千人が、ペンギンを見に防波堤に押し寄せました。しかし、新型コロナウイルスの流行後の行動規制でガイドツアーが中止となり、防波堤はちょっとした観光スポットからペンギンの楽園に戻りました。
州政府が、70年代に作られた現在の桟橋を立て直し、2024年中に観光客が防波堤に入らずにペンギンの観察ができる施設を整備する予定です。久々に見られる都会のペンギンの元気な姿が待ち遠しいです。

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