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学校現場の昔と今に迫る(3)

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愛知県大府市

■実際に教室をのぞいてみた 昔と今で違うこと
~学校現場にも多様な学びを~
平成29年の学習指導要領の改訂により、授業の教科・科目にも変化があります。
そして、国は、学校・地域の特色を生かしたカリキュラムを作ることを呼び掛けています。
ここでは、市内の小・中学校の多様な学びについて触れます。

◆心を育てる
≪道徳の必要性の高まり≫
小学校では平成30年4月に、中学校では平成31年4月に、道徳の時間が「特別の教科道徳」として位置付けられました。
道徳は他の教科とは違い、正解がありません。そのため、教員が子どもたちのそれぞれの考えを尊重し、議論に向き合う姿勢や学習状況、心の成長などを言葉で評価します。

○考えを深める大切な時間
道徳は、原則教科書を使って授業を進めますが、同じテーマの内容であれば、学級の様子に合わせた教材を選んで授業を行うこともあります。今回は、「個性」についてみんなで考えました。子どもから出た意見に質問や問題提起をして、さらにみんなで話し合って考えを深めることを意識しながら授業を進めています。
吉田小学校 大石遥先生

◆環境問題を身近に捉える
≪SDGsを意識した学び≫
最近、SDGs(持続可能な開発目標)を学校教育で扱うことが増えています。それは、世界が気候変動や資源の枯渇、生物多様性の喪失など危機的な状況に見舞われていることを、日本における昨今の猛烈な暑さや熱中症対策を通して、自分事として捉えられる機会が増えてきたからです。未来を生きる子どもたちは、これらの問題を自らの課題と考え、身近なところから取り組まなければなりません。

○大府小学校でSDGsの出前講座
10月11日、大府小学校で、外部講師から学ぶ出前講座「SDGsについて考えよう」を開催しました。この講座は、5年生を対象に4つの企業の外部講師を招き、身近なSDGsの取り組みについて学ぶもの。子どもたちは、使用済みのパソコンを解体し、リサイクルの大切さを学びました。

◆地域の特色に触れる
≪バイオリンを活用した音楽教育の導入≫
明治期に日本で初めてバイオリンの量産化に成功した鈴木バイオリン製造(株)の本社工房がある大府市。バイオリンとの深い縁がある大府市ならではの取り組みとして、令和5年度から全小学校の4年生を対象に、バイオリンを使った音楽教育を開始しました。講師として、スズキ・メソードの伊藤達哉先生らをお招きし、親切・丁寧な指導で子どもたちは『きらきら星』が弾けるようになりました。

○楽しかったからまた弾きたい
初めてバイオリンを弾きました。弦が4本しかないのに、弓の角度や押さえる位置でいろいろな音が出て面白かったです。
バイオリンは思ったよりも重くて、弾き終わった後は肩が痛かったけど、楽しかったので、またやってみたいです。
北山小学校 松田青依さん

◆グローバル社会に備える
≪小学校で英語の授業が始動≫
令和2年度から、3年生で外国語の授業が始まっています。具体的には、3・4年生で「外国語活動」を開始し、5・6年生で教科書を使った「教科」としての英語が始まります。以前は、「教科」としての英語は、中学生から開始していました。

≪中学生の英語能力が上昇≫
小学校の英語教育の改革に伴い、中学校では、以前と比べると教科書で扱う単語数が1.5倍に増えています。これは、以前の高校レベルの単語量です。さらに、高校で習う文法の前倒しなど、難易度がアップし、聞く・話す・読む・書くの技能の総合的な充実が図られています。
小学生のうちから単語・文法・会話の基礎を学んでいることから、中学校ではレベルの高い内容を学習でき、中学生の英語能力は上昇しています。

≪受検料補助制度で子どもたちを後押し≫
市は、グローバル化する社会に果敢に挑む、子どもたちの英語力の向上などを目的に、英語検定3級以上を受検する小・中学生の保護者に対し、英語検定受検料の補助を実施しています。また、市役所に英語検定3級の特別試験会場を設け、受検機会の確保も図っています。さらに、学年に応じて、成績優秀者には、「ミモザ賞」を授与しています。

補助金交付人数:

※令和4年度から補助制度の対象を小・中学生に拡大しています。

◆元教え子×教員コンビ
大府南中学校 田中佑樹 先生
大府南中学校 仲村美保 先生

○小学生からの英語教育により、格段に英語力が向上
大府南中学校では、英語専科の教員が4人配属されていることから、2年生の授業は、教員2人体制で英語を教えています。英語が苦手な子へのフォローができるので、とても助かります。実は、仲村先生は私が中学生の頃の英語の先生で、こうして教員となって再会することができました。
今の教科書は、昔に比べるとサイズが大きく、習う量や英単語が格段に増えています。私たちが高校生や大学生で習った単語が、平気な顔して教科書に登場してくるぐらいです。さらに、昔の中学校の授業はアルファベットを書くことから始まっていましたが、今は書けることが前提で授業が始まります。これは、小学校で、ある程度英語に親しんできているからだと思います。
また、子どもたちは、1人1台タブレットを持っているので、すぐに正しい発音を確認したり、スピードを変えた音読練習をしたりできます。英語の発音についても、小学生の頃から英語でのコミュニケーションに慣れているので、みんな恥ずかしがらずに話すことができ、英語力の向上を肌で感じられています。

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