■110年以上営業している遊園地
国際交流員 Adam Simmonds
ポート・フィリップ市(オーストラリア連邦ビクトリア州)の最も有名なスポットと言えば、セント・キルダ地区の遊園地「ルナパーク」の巨大な顔の門でしょう。
20世紀初頭に路面電車「トラム」の運行が始まると、メルボルンとその周辺から多くの人が、海辺の町セント・キルダに集まるようになりました。次第に遊園地・ダンスホール・映画館・スケート場などのさまざまな施設が登場しました。
アメリカのアトラクション経営者ジェームズ・ディクソン・ウィリアムズとフィリップス兄弟が、セント・キルダビーチにあった別の遊園地の跡地にルナパークを開園したのは、1912年12月のことでした。1903年にニューヨークのコーニーアイランドに開園したルナパークがそのモデルとなったようですが、実はこの時期に、欧米各地にルナパークが次々と作られています。
セント・キルダより前の1910年には、東京にも「浅草公園ルナパーク」が開園しましたが、8カ月後に火災で閉園となり、後に大阪に「新世界ルナパーク」(1912年7月~1923年)として生まれ変わりました。
世界各地のルナパークが閉園や改名する中、セント・キルダのルナパークはこの111年の間、戦時や改装工事を除いてずっと営業し続け、ビクトリア州遺産レジスターに登録されています。
巨大な月の顔の前での写真撮影はいつでもできますが、遊園地の営業は週末のため、乗り物を楽しみたい方は週末に訪れることをお勧めします。
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