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自治体の皆さまへ

広がる おおぶニックな農産物たち(2)

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愛知県大府市

■今後の展望 有機農業を語る
おおぶニックのWA代表であるつむぎて農園園主の杉山修一さんとおおぶニックのWAの構成員であるFarm to Table代表の望月雅美さんに岡村市長が、これまでの取り組みや今後の展望についてお聞きしました。

○新しい有機農業の形を発信
おおぶニックのWAを立ち上げて1年が経ち、市内外に大府の有機農業が浸透し始めてきたと感じています。野菜部門では有機農業担い手講座を行い、参加者の中には就農に向けて動いている人もいるので、結果が出せていると思っています。
新規就農する上で、販売先など、全てを自分で探していくのはとても苦労するため、おおぶニックのWAの中で情報共有し、農業と生活を多角的に支援し、安心して活動できるようにしていきたいです。
今後は、市民の皆さんに有機農業の活動を知ってもらう機会を作っていき、全国的にも珍しい都市近郊型での有機農業の取り組みを大府から発信できたらと思っています。
おおぶニックのWA 代表 杉山修一さん

○生産者と消費者をつないでいく
保育園給食へのおおぶニック農産物の提供は、2年ほど前から月1回のペースで実思います。施しています。この取り組みを広げていき、有機農業だけではなく、市内の農業の底上げができたらうれしいです。
Farm to Tableは、生産者と消費者をつなぐポジションとして、もっと農業に興味を持ってもらい、ゆくゆくは農家になりたいと思う人を増やしていけたらと思います。
有機農業の波が少しずつ市内で動き出していますので、ぜひ多くの人に参加してもらい、大きなムーブメントになればと思います。
Farm to Table~農と食をつなぐ~ 代表 望月雅美さん

○オーガニックビレッジに向けて歩んでいきたい
こどもたちが、給食でおおぶニック米を食べるのをとても楽しみにしているという話を聞きました。給食での活用は、安定した需要が見込めて、作りがいがあると思います。現在はSDGsの観点から、慣行農業での化学肥料や農薬を少なくする取り組みを支援するとともに、有機農業を広げていきたいと思います。
市としても、来年度には、オーガニックビレッジ(※2)の宣言を目指し、市の農業振興を進めてまいります。
大府市長 岡村秀人

※2 オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず、事業者や市内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取り組みを進める市町村のこと。

■農業の楽しさを実感 有機農業を学ぶ
市内で、有機農業に取り組む生産者を増やすため、野菜の有機栽培技術を1年かけて一から学ぶ有機農業担い手講座を開催しています。講師は、これまで千人以上の人に有機栽培のノウハウを伝授してきた佐々木正さん。現在6人の受講生が、毎週土曜日の午前中、米田町の研修畑において、栽培実習や座学による研修に取り組んでいます。

◆有機農業担い手講座ではこんなことが学べる
○栽培技術研修
有機栽培による土づくりから、種まき・苗づくり、栽培管理、収穫までの基本的な技術について学びます。
受講生は、自分一人で管理を行う個別畑と、受講生全員で管理を行う共同畑において、4~8月頃までは春・夏野菜、9~3月頃までは秋・冬野菜の栽培に取り組みます。
他にも、視察研修やマルシェにおける販売研修なども行います。

○踏み込み温床づくり
春先の苗づくりに向けて、踏み込み温床づくりの実習を行います。
踏み込み温床は、落ち葉・稲わらなどに米ぬか・おからを混ぜて発酵させ、その発酵熱で苗を育てる昔ながらの方法です。作り方はシンプルで、材料に体重を掛けて踏み込み、水を加えて発酵を促します。温床で使用した材料はそのまま堆肥となり、次の年の培養土などとして使用することができます。
地域の落ち葉・稲わら・米ぬか・おからを使うことで、地域資源の循環にもつながります。

○ぼかし肥料づくり
米ぬか・おからなどの有機肥料に、土・もみ殻を混ぜて発酵させて作るぼかし肥料づくりを行います。土に肥料分を混ぜてぼかす(薄める)ことからその名前が付いたと言われています。
通常の有機肥料に比べて効き目が早く、植物が吸収しやすい効果的な肥料です。植物だけでなく、土壌に住む微生物の栄養分となるため、土壌の改良にも貢献します。

◆農業の楽しさを実感してほしい
この講座では、一年かけて、土づくりや肥料づくりなどの有機栽培の基礎が学べます。そして、農業の楽しさを実感できます。自分が一生懸命育てた野菜が、こどもたちの給食に提供されるので、やりがいを感じてもらえると思います。有機栽培の野菜に限らず、地元の野菜が地元のこどもたちに提供されるようになれば、こどもたちの中に郷土愛が生まれて、農業への興味も広がっていくと思います。農業は、本来楽しいもの。この講座を通して、農業の3K(きつい・汚い・危険)のイメージを変えていきたいです。
講師 有機農家 佐々木正さん

◆農業のノウハウを幅広く学べました
将来的には自然栽培で果樹を育てて、生活に彩りや幸せを届けていきたいと思っていますが、違う農法も学んでみたいと思い、参加しました。
佐々木先生は、有機栽培のノウハウを幅広く教えてくれるので、野菜のことを隅々まで教えてもらうことができました。今後は、野菜も作って、給食に提供していきたいです。こどもと一緒に野菜を作って、給食で食べてもらうことで、野菜の美味しさや食のありがたさを感じてもらい、こどもの成長につながればと思っています。
受講生 梅下温子さん

◆就農に向けて技術を磨けました
食や健康に関することを生業としてやっていきたいと思い、昨年2月からつむぎて農園で就農に向けた研修を受けていますが、さらに技術を学びたいと思い、参加しました。この講座を通して、農業のやり方の幅が広がりました。同じ作物を育てていても、やり方によって生育状況が変わります。佐々木先生は長年の経験があって、その経験に基づいた的確なアドバイスをくれるので、とてもためになりました。
2月から市内で農地を借りて、「壽Ye縁~SuieN」という屋号で就農しました。QRコードから、Instagramをぜひご覧ください。
受講生 山元智紀さん

■令和6年度受講生募集
日時:4月下旬~翌年3月下旬の毎週(土)9:00~11:30
場所:米田町5丁目研修畑
対象:市内の農地で有機農業での生産・販売に取り組む意向のある方
定員:10人(選考)
料金:3万円(種苗代・資材費など、初回集金)
申込:3/1(金)~15(金)に市ウェブサイトへ。

問合せ:農政課
【電話】45-6225

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