■夢の旅先は、生活の場
国際交流員 Adam Simmonds
最近、コンビニと富士山が一緒に撮影できるスポットに、外国人観光客(以下、観光客)が殺到したことが話題になりました。写真を撮り合う観光客が、歩道からはみ出たり、車道に入って写真を撮ったりする様子が、連日テレビで報道されていました。現地住民の生活への影響だけでなく、交通事故につながる恐れから、観光客が集まらないよう、絶景を遮断するための黒い目隠しが設置されました。
この問題では、観光客のマナー違反が問題視されましたが、海外旅行では誰もが我を忘れる恐れがあります。旅先の見慣れない風景が遊園地のように感じ、そこにいる人がキャストに見え、言葉の壁も相まって、非現実度が高まっているように感じます。言葉が通じない観光客にとっては、必死に注意する現地住民は、声の大きい不思議なおじさんやおばさんとして映り、ルールが書かれた看板は、ただの飾りや小道具にしか見えず、風景の一部となってしまいます。
そんな状況の中では、旅先が夢の国ではなく、現地住民の生活の場であることを思い起こすことが大切です。海外のみならず、国内を旅するときも、自分の行動が現地住民をどんな気分にさせているか意識する必要があります。私も旅先でマナーの悪い観光客として報道されないよう、気を付けていきたいです。
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