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自治体の皆さまへ

パラアートを通じて広がる多様性の輪

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愛知県大府市

4年に一度、国が定める障害者週間(12月3日~9日)に合わせて開催する障がい者アートの祭典「パラアートおおぶ」。
「パラアート」とは、技法・表現方法にとらわれることなく、障がいのある方の幅広い創作活動とその作品を包括した呼称です。
期間中は絵画などの作品展示に加え、ダンス・太鼓演奏のステージイベントなどで日頃の活動の成果を発表。
多彩な才能を市民の皆さんと分かち合い、夢や希望が膨らむイベントになりました。

■パラアートおおぶ
障がいのある方の創作活動の成果を発表することで社会参加の機会を創出するとともに、市民の障がいに対する理解を深めてもらうために開催しています。パラアートおおぶ2024では「笑顔咲く未来へ」をテーマに、近隣市町から集まった絵画・工芸品など125点のほか、交流都市の愛媛県新居浜市在住のアーティストで2歳の時に自閉症の診断を受けた石村嘉成さんが描く動物の絵画・版画などを展示しました。

■ワークショップ
パラアートおおぶ2024の企画としてバイオリンアートを制作するワークショップを開催し、市内の障がい福祉施設などの利用者らが参加しました。講師を務めたのは、TRILLアートクラス大府子ども絵画造形教室の山田大空さん。参加者はバイオリンの形をした画用紙に絵の具で色を塗ったり、黒い台紙に色紙で装飾したりして2m×3m以上の巨大アートを完成させました。完成した作品は、3月28日(金)まで市役所南玄関口のギャラリーparart(パラート)で展示しています。

■ステージイベント
パラアートおおぶ2024で、作品展示のほかに市内の障がい福祉施設などの利用者らによるダンス・太鼓演奏などのステージパフォーマンスや、椙山女学園大学教授の堀田あけみさんによる講演会「障がい者の自立を支える親の在り方」を行いました。

◆市内で活躍する個性豊かなアーティスト
○好きなことを楽しく続ける
第1回目のパラアートおおぶから作品を出展している鈴置さんは、平日はグループホームで共同生活をしながら福祉事業所で働き、土日は実家で創作活動に励んでいます。手掛ける作品は、主にひらがなや漢字を切り抜く「切り文字作品」。器用にはさみを使いこなし、下書きなしで色紙から文字を切り出します。ギャラリーparartの看板も鈴置さんが手掛けました。
切り文字アーティスト 鈴置隆志さん

○自分の特技を生かせる場所
カトウさんは、中学2年生の頃、マイケル・ジャクソンさんのダンスのカッコよさに魅了されて、独学でコピーダンスを始めました。6年前からはYouTubeを開設し、ダンス動画を定期的に投稿しています。
「パラアートおおぶでは、観客の皆さんが手拍子で盛り上げてくれたので楽しく踊ることができました。私にとってパラアートおおぶは、自分の特技を生かせて輝ける場所です。これからも大好きなダンスを踊り続けて、皆さんに元気を届けていきたいです」
ダンスパフォーマー Michael・Kato(マイケルカトウ)さん

◆市が実施するパラアートの取り組み
01 ギャラリーparartでの絵画展示
市役所南玄関口にパラアートの常設展示スペースギャラリーparartを開設しました。ギャラリーparartとは「para」と「art」を組み合わせた造語で、公募作品や福祉施設の作品などを1~3カ月で入れ替えて展示しています。

02 まちなかパラアートおおぶの開催
市内企業や店舗などと協力して、まちなかで気軽にパラアートを楽しめるよう「まちなかパラアートおおぶ」を企画しています。これまでに市と企業など22社が連携して、継続的にパラアートを観賞できる空間を作りました。

03 ノベルティグッズの作成
一般社団法人アティックアートと連携し、パラアートを活用したボックスティッシュなどのノベルティグッズを作成しています。市内企業や学校などの中には、パラアートを活用して独自に紙コップやTシャツを作成するなど、取り組みの輪が広まっています。

04 パラアート名刺を採用
市職員用名刺にパラアートを採用しています。市内の障がい福祉施設などの利⽤者らが描いた花びらやバイオリンの作品を活用し、市内在住のデザイナーの協力を得て、名刺デザインを作成しました。

◆アートを通して社会とつながるきっかけにしてほしい
パラアートの魅力は、こどもの作品にあるようなピュアな感覚が、大人の巧みさを持って表現されているところです。障がいのある方が作った作品という先入観がなく、純粋にアート作品として楽しんでもらえるとうれしいです。将来的には、アートという枠組みを通して、障がい者という「枠」を取り払っていけることが理想です。パラアーティストの皆さんには、楽しみながら制作を続けてほしいです。アートを通じて、障がいのある方が社会とつながる一つの架け橋になったらいいなと思います。
パラアートおおぶ2024監修 山田大空さん

◆パラアートを通して障がいへの理解促進につなげたい
近年はSDGsへの関心の高まりに伴い、全国的にも障がい者アートを活用した取り組みが広がっています。市では、パラアートおおぶの開催のほかに、ギャラリーparartでの絵画展示・ノベルティグッズの作成・パラアート名刺の採用など、さまざまな取り組みを学校・福祉施設事業者などと連携して進めています。今回の特集をきっかけに、パラアートへの関心とそれに伴う障がいへの理解促進につながることを期待しています。
高齢障がい支援課 竹中奨

問合せ:高齢障がい支援課
【電話】85-3558

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