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家康、秀吉 最初で最後の直接対決「小牧・長久手の合戦」(1)

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

“家(いえ)ジョ”の取材レポートVol.1

■大河ドラマ「どうする家康」(NHK)でまもなく描かれます

現在放送中の大河ドラマ「どうする家康」。
ドラマ中では8月に「小牧・長久手の合戦」が描かれる予定です。
今回は「小牧・長久手の合戦」の放送に先駆けて、ドラマをより一層楽しむことができるよう、制作統括の磯智明さんに見どころなどをお聞きしてきました。

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大河ドラマ「どうする家康」
主演:松本 潤(徳川家康役)
作:古沢良太
放送:毎週日曜日
〈総合〉20:00~
〈BS4K、BSプレミアム〉18:00~(BS4Kでは12:15~先行放送)
・NHKプラスで最新話を配信中!パソコン、スマートフォンからも視聴できます。

ストーリー
今川家の人質として生涯を終えると思っていた若き日の家康は、三河武士の熱意に押され、織田信長、武田信玄ら化け物が割拠する乱世に飛び込む―。
待っていたのは死ぬか生きるかの大ピンチ!計算違いの連続!ガマンの限界!どうする家康!
古沢良太が描く波乱万丈のエンターテインメント。
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―ドラマ制作にあたって、どのような思いがあったのでしょうか。
これまで、大河ドラマで小牧・長久手の合戦が詳細に描かれたことはありませんでした。家康が秀吉に檄文(げきぶん)を送って、秀吉が怒って攻めてくるのは有名ですが、そこに至る駆け引きや、小牧山の戦いから長久手の戦いへの流れ、家康たちがどうやって勝ったのかを今回はていねいにおもしろく描こうと考えていました。
家康をテーマにしたドラマはたくさんありますが、実は描かれていないことも結構多いのです。
また、家康に関する研究もかなり進んでいるので、その最新部分もぜひ紹介したいと思っていました。さらに、リアルな家康像に触れるために、脚本の古沢さんと家康ゆかりの地は、ほぼすべて回りました。

―実際に小牧山を訪れてみて、どのような印象を持ちましたか?
三方ヶ原の戦いがあって長篠の戦いがあって伊賀越えがあって、小牧・長久手の合戦に繋がっていくのですが、家康がスカッと勝った戦いは小牧・長久手と関ケ原くらいしかありません。家康はずっと苦戦ばかりしていたんですよね。だから、小牧・長久手の合戦をおもしろく描けるといいなと考えていました。
そして、そんなことを期待しながら、おととし7月末に、古沢さんや他の制作スタッフとともに小牧山をじっくり歩きました。暑い中、「一周見て回らないと分かりません」なんて言われて(笑)。でも実際に自分の足で歩いて回りながら説明を聞いたことで、『今なら小牧・長久手の合戦をこんなふうに描けるかもしれない』と思えたんです。
やっぱり現地に行かないと分からないことがたくさんあって、まさに小牧山はその代表でした。手元にある資料だけではなかなか分かりませんでしたが、実際に訪ねてみたことでヒントがもらえてとてもよかったです。小牧・長久手の合戦の場面をしっかり描きたいと思いましたね。

―小牧山城は、家康にとってどのような場所だったと思いますか?
小牧山城は、元々信長が居城として築いた城でした。それを家康が“ここまでやるか”というくらい守りの城に作り変えました。
小牧山城は周囲から全部丸見えだったので、どうして家康はここを陣地にしようとしたのかなと不思議でした。向かいに犬山城があって楽田城もあって、秀吉から全部見えているので非常に守りにくいはずなのに。普通に考えたら敵の最前線から少し引っ込んだところに本陣を構えるでしょうし、まして家康は慎重な人だとされていますので、そう考えるとこのときは大きな勝負に出たなと思いましたね。榊原康政に小牧山城の土塁や堀の大改修をたった5日間で完成させろと命じたと言われていますが、本当はそんな無茶なことをいう人ではないはずですよ。
小牧山城は単なる出城ではなくて、そこに家康も家臣団全員もそろっていました。つまり、小牧山城を落とされたら一巻の終わりなんです。秀吉の陣地の一番近くに自分たちの本陣を築くというところで、家康の決意みたいなものを感じました。

―まさに「どうする」ポイントですね。
秀吉と家康、そして徳川四天王が全員そろって戦うのは、小牧・長久手の合戦だけと言っても過言ではないと思います。まさに秀吉と家康の総力戦、オールスター戦ですね。
秀吉は家康軍の何倍もの兵を率いて、数で言えば大きな戦力差がありました。また、家康軍には直前に加わった武田勢もいますので、家康が信頼できる兵は実質もっと少なかったでしょう。それでもこの戦力差を埋めて、どうしたら勝てるかを家康は死ぬほど考えただろうなと思います。
三方ヶ原では完敗し、長篠では織田の力をこれでもかと言うほど見せつけられました。小牧・長久手の合戦は、家康が自身の力で戦略的に臨んだ初めての大きな戦いで、家康が生涯をかけた大きなポイントだと考えています。家康は本当に秀吉に勝ちたかったんだろうなと感じました。

―最後に、市民の皆さんにメッセージをお願いします。
大河ドラマの役割の一つに「地元の人も知らない話をドラマにして、多くの人に知ってもらう」ということがあると思います。ドラマをきっかけにして地域の人たちにまちの魅力を再発見してもらう、僕はまさに小牧市がそれだと思っています。
こんなに立派な史跡があるまちに住んでいるということは、とても恵まれていることだと思います。市民の皆さんはもっと自慢していいと思いますよ。
歴史は多くの方が興味を持っている分野だと思いますが、今から当時の歴史的な建造物を造ることなんてできません。そういうことで言うと、小牧山は本当に感動的な史跡だと僕は思っています。市民の皆さんにとっては、当たり前すぎて風景に溶け込んでしまっているかもしれませんが、信長と家康と秀吉が3人とも居た場所は日本全国探してもそうそうありません。そういうところを知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。僕たちも皆さんと協力して、盛り上がりを味わいたいと思います。

問合先:シティプロモーション課
【電話】76・1172

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