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自治会(区)は、私たち一人ひとりが住む地域をより良くするための大変重要な地域の基礎的コミュニティです。市の自治会加入率は、全国平均と比べて高い状況ではありますが、近年、加入率の低下や役員のなり手不足などが課題となっています。
そうした中、自治会運営をアップデートし、デジタル技術の活用による運営の効率化や、多様な人材の参画により視点を広げ、新たな解決策を見出すなど、新しい時代に合わせた運営にチャレンジしている自治会があります。今回の特集では、先進的な取組を紹介します。
■自治会活動のDX化(デジタル活用による運営の変革)
◆結ネット(連絡網アプリ)を活用した自治会連絡網
スマートフォンやパソコンなどで手軽に利用でき、市や地域からのお知らせを即時に確認することができる電子回覧板や災害時に住民の安否確認ツールとしても活用できる「結ネット」を導入して、事務の効率化や活動の充実を図っています。
▽電子回覧板
回覧物の内容をアプリにデータ配信し、すぐに確認できるようにしています。ほかにも急な行事の中止連絡や落とし物の確認などすぐに知らせたい情報を即時共有できます。
(ガーデンヒルズ本庄区、池新田区、米野区、常普請区 ほか)
▽災害時の安否確認
大災害に備え、アプリを使用した安否確認訓練を実施しています。
能登半島地震でも複数の自治会で「結ネット」が活用されました。
(池新田区)
▽役員間の事務連絡
区長をはじめ、区の役員間での会議の連絡や資料の共有、会議録の送付などをデータ配信することで、事務を効率化しています。
(ガーデンヒルズ本庄区 ほか)
▽会館の利用予約
会館の有効な利活用や、管理者の負担軽減のために、地域の会館の利用予約を、アプリで簡単にできるように試行実施しています。
(郷中区 ほか)
◆大型モニターやプロジェクターを活用した会議運営
参加者全員が確認できる大型モニターなどを活用し、会議資料のペーパーレスを図り、印刷の手間をなくしたり、動画を活用するなど、議論の活発化や円滑な進行に繋げています。
■自治会活動のダイバーシティ化 (多様な人材を活かす取組)
これまで地域活動の中心だった60代・70代の方々に加え、女性や30代・40代の若い方など、性別や世代を越えてさまざまな方が参画することで、新しい視点から、自治会運営の見直しや新しい取組が行われています。
◆小牧原南区…高橋 みどり 区長
年齢や仕事の有無、性別に関係なく、区長や役員をやりたくなるような地域づくりに向けて、若い方や女性をはじめ、これまで声をあげてこなかった方々の意見も取り入れながら、活動に繋げています。
▽高橋区長のアイデアで、災害時に支援物資が届くまでの自助・共助の一環として、会館に隣接する石だらけの緑地を地域住民と地元中学生との協働により耕し、「さつまいも」を植えました。
◆懐区…鍛冶 ブライアン 前区長
区長の事務は多いですが、私の区では、過去の区長が区の運営に協力してくれたため、スムーズに区長の仕事をこなすことができました。
これからは、私もできる限り区の活動に協力するつもりです。
◆上之町区…石川 雄一 区長
区長1年目はPTA活動もあり大変でしたが、2年目の現在は、区長の仕事の見直しや引継書の作成に取り組むなど、次の区長や役員がやりやすい体制づくりに努めています。
■「結ネット」を始めてみませんか?
コロナ禍を境に昨年度の自治会加入率が80%を切るなど自治会離れが徐々に進んでいます。これまで地域活動の中心であった60~70代でも働いている方が増えるなど、社会構造が大きな変革を迎え、自治会の運営方法も大きな節目を迎えています。
令和の自治会へアップデートしていく一助となるよう、市では、自治会内での連絡ツールとして「結ネット」を導入しようとする自治会に対し、新規登録やメニュー作成、運用サポートなどの支援を行っています。
問合先:自治会支援室
【電話】39-6573
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