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~小牧市民病院より~ 健康通信

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

■目の異変や体の変化、実は脳の病気かも? 知っておきたい下垂体腫瘍の症状
脳神経外科 部長医師:加藤 丈典

◆下垂体腫瘍ってどんな病気?
下垂体とは脳の底部にある約1cmの小さな器官で、ホルモンを分泌し、からだのバランスを調整しています。ここに発生する良性腫瘍が「下垂体腫瘍」で、ホルモンのバランスが崩れるタイプと崩れないタイプがあります。脳神経外科医が扱う腫瘍の中で3番目に多く、40~50代に好発します。

◆こんな症状に要注意!
下垂体腫瘍は、初期は自覚症状に乏しいことがありますが、大きくなると下垂体のすぐ上にある視神経を圧迫して影響がでてきます。
以下のような症状が典型的です。
・新聞や本が読みづらくなった、目が疲れやすい
・白内障や緑内障の治療を受けているが改善しない
・視野が狭くなった、物がダブって見える
また、ホルモンを分泌するタイプの腫瘍は、小さくても以下のようなさまざまな症状がでます。

●プロラクチン産生下垂体腫瘍
・女性…生理不順や無月経、不妊、乳汁分泌
・男性…性欲低下、勃起障害
●成長ホルモン産生下垂体腫瘍(アクロメガリー)
・昔と比べて顔の彫りが深くなった
・歯の噛み合わせが悪くなった
●副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腫瘍(クッシング病)
・ニキビが出やすくなった、体毛が濃くなった
・治療しているのに血圧や血糖値が改善しない
●甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍
・よく汗をかくようになった
・食べても食べても体重が減る
これらの症状が持続する場合は、一度医療機関を受診しましょう。

◆診断と治療法
下垂体腫瘍の診断には、MRI検査と血液検査が主に用いられます。MRIで腫瘍の位置や大きさを確認し、血液検査でホルモンの分泌状況を調べます。治療法は、腫瘍の大きさや種類によって異なります。
▽経過観察…小さな腫瘍でホルモンバランスが崩れていない場合
▽薬物療法…ホルモンを分泌する腫瘍の一部
▽手術…薬物療法の効果が乏しいホルモンを分泌する腫瘍や視神経を圧迫している場合に、鼻から内視鏡を入れて実施
▽放射線治療…手術が難しい場合や再発時

◆予防と早期発見のために
下垂体腫瘍に特定の予防法はありませんが、早期発見が鍵となります。定期的な健康診断受診や上記の症状が持続する場合の迅速な医療機関受診が重要です。
早期発見と適切な治療により、多くの場合で良好な経過が期待できます。体の変化に敏感になり、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

・病院ホームページ
・診療科ホームページ
(本紙13ページの二次元コードをご参照ください。)

問合先:市民病院
【電話】76-4131

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