■健気な足かせ
昨年11月、本地ヶ原保育園に職員休憩室が完成しました。これは、尾張旭ライオンズクラブ(LC)様からの現物寄付で設置することができたものです。会員の皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。
この発端は、昨年3月上旬、保育園を順に視察していた時、市内で唯一、同園には保育士用の休憩室が無いことを知ったことです。体調不良の際は、遊戯室の片隅を囲って横になる、また、スペース不足から廊下で食事を取ることもあるなどなど。精神的・体力的にもストレスが大きく、職員間の人間関係にも影響する悩みを、園長先生からお聞きしました。
保育士の離職率が高く、結果として要員不足から、さらに一人の負担が大きくなるといった厳しい状態でした。
そうした折にLC様から寄付の打診があり、正に天の恵みだと思い検討しました。市職員には、皆さんの想像される以上の驚きをもって受け止められました。
役所の人間は生真面目で、自分たちのことは後回しという美徳、ある意味、健気な思い込みがあります。
今回の寄付の使い道は、これまで誰も思いつかなかった役所の常識をひっくり返す画期的なものです。私は、せっかくの浄財であればこそ、緊急性と重要性に鑑みて、前例にとらわれることなく有意義に使わせていただくことが、ご厚意に報いる最善の道だと考えます。
職員の職場環境の改善は、保育現場はもとより行政サービスの向上に直結するのですから、硬直した発想からは脱却するべきなのです。これも、大きな改革の一つではないでしょうか。
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