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■江戸のふるさと岡崎ならではの歌舞伎公演!
徳川家康公が征夷大将軍となり、江戸幕府を開府した一六〇三年以降、世の中が平定されていく中で「歌舞伎」が民衆の文化として華開きました。
家康公が創り上げた「平和」をメッセージとして込め、この度、歌舞伎の振付師や脚本家として著名な八世藤間勘十郎氏に脚本、振付をお願いし、家康公を主人公とした新作歌舞伎舞踊を手掛けていただけることとなりました。
悲哀の末に家康公が一時代を築き、二六〇年以上続いた「平和」を、生誕の地であり、平和の発祥の地である岡崎から力強く発信します。
◇演目内容
(1)岡崎歌舞伎トークショー
(2)
奈河 彰輔(なかわ しょうすけ) 脚本
石川 耕士(いしかわ こうじ) 補綴・演出
二世 市川 猿翁(いちかわ えんおう) 演出
三代猿之助四十八撰の内
「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」より
旅噂岡崎猫(たびのうわさおかざきのねこ) 一幕
由井民部之助(ゆいみんぶのすけ)とお袖夫婦は幼い子を連れて、東海道の岡崎宿の外れまでやって来ます。そこで無量寺に一夜の宿を求めますが、寺を預かるおさんという老婆は、病死したはずのお袖の母と瓜二つ。甦(よみがえ)ったのだというその老婆は初孫を見て喜びますが、その正体は恐ろしい猫の怪で…。
江戸時代から伝わる「日本三大怪猫伝(かいびょうでん)」岡崎の無量寺に現れる化け猫の怪奇譚(かいきたん)を題材に、歌舞伎ならではの奇想天外な演出を存分に堪能できる演目です。
(3)藤間 勘十郎(ふじまかんじゅうろう) 脚本・振付
(岡崎オリジナル)
紅葉錦絵葵正夢(はなのにしきえあおいのまさゆめ) 長唄囃子連中(ながうたはやしれんじゅう)
岡崎城紅葉狩の場
関ケ原の戦いで勝利をおさめ、征夷大将軍となった家康公は岡崎城にて紅葉狩りの宴を催し、岡崎城の紅葉を堪能しておりました。うたた寝をしてしまった家康公の前に、岡崎で過ごした日々が甦り…。
岡崎が舞台となった新作歌舞伎舞踊です。岡崎から家康公がどのように平和な世の中を創り上げたのか…。乞うご期待ください。
協力:松竹株式会社
制作:アロープロモーション
日時:9月14日(土)14時~、9月15日(日)11時~/15時30分~
場所:岡崎市民会館あおいホール
出演:市川中車(いちかわちゅうしゃ)、市川青虎(いちかわせいこ)ほか
定員:各900人(先着)
チケット:S席8,000円、A席7,000円
申込:6月29日(土)10時から。チケットの発売場所など詳しくは、岡崎市民会館ホームページで。
※公演内容などは変更になる場合があります。あらかじめご了承ください
問合せ:岡崎市民会館
【電話】21-9121【FAX】21-6973
[Special interview]
■『紅葉錦絵葵正夢』の脚本・振付を手掛ける藤間勘十郎さんと出演者の市川中車さんに作品にかける想いを伺いました!
・歌舞伎俳優
市川 中車(いちかわ ちゅうしゃ)さん
昭和40年12月7日生まれ。
屋号は澤だか屋。二世市川猿翁の長男。
平成24年6月新橋演舞場にて、九代目市川中車を襲名。
立役の一人として数々の舞台に出演し、澤だか屋の芸の継承に勤めている。
・日本舞踊宗家藤間流八世宗家
藤間 勘十郎(ふじま かんじゅうろう)さん
昭和55年3月13日生まれ。
歌舞伎舞踊振付師。
平成14年9月八世宗家藤間勘十郎襲名。
歌舞伎だけでなく、音楽劇、朗読劇などの演出にも積極的に取り組んでいる。
▽『旅噂岡崎猫』は、澤だか屋(おもだかや)一門とゆかりのある演目だそうですね。
市川中車さん(以下、中車):元は『獨道中五十三驛』という、父の市川猿翁が復活させた人気作品の中の一場面です。老女で正体が化け猫という主役「おさん」もさることながら、裏の主役はその正体を見てしまう女性「おくら」。普段は立役(男役)の俳優が演じて宙返りをするなど、ケレン味ある澤だか屋らしい役だと思います。演じる若手にとっても、初めて歌舞伎を見るかたにも面白い演目です。
▽『紅葉錦絵葵正夢』は、どんな作品になるのでしょうか。
藤間勘十郎さん(以下、勘十郎):豪華絢爛(けんらん)、華やかなものにしたい。徳川家康公が出てくる歌舞伎の作品って、実はあまりないんです。今回は家康公が征夷大将軍になった後に過去を回想し、これから平和に向かっていこうとする舞踊劇になればと思っています。
▽岡崎の作品である『紅葉錦絵葵正夢』は来年以降、岡崎市民芸術文化祭などで、幅広い層の市民歌舞伎として上演していく構想があります。
勘十郎:責任を感じます!(笑)僕らが作ったものが残っていくのはとてもうれしい。一部の踊りや音楽だけ上演するのでもいい。「ご当地ソング」のような存在になればいいですね。
中車:取り組みが広がっていくためにも、見た人に面白いと思ってもらえる舞台にしたいです。
勘十郎:歌舞伎俳優には地方出身者も多いんです。「地元に来た歌舞伎公演を見て面白かったから、なりたいと思った」と。そういう人は百人に一人かもしれませんが、見た人の思い出の片隅にきっと残る。都市部以外でも歌舞伎を上演することは大切です。
▽初めて歌舞伎を見る人が楽しむポイントはどこですか。
中車:生の音を純粋に楽しんでほしいです。歌舞伎は、マイクを使わず生演奏が当たり前。スマートフォンなどを通して配信を見るのとは違った体験をしてほしい。
▽お二人は岡崎市にどんな印象をお持ちですか。
勘十郎:やはり、『旅噂岡崎猫』の舞台というイメージがあります。時間があればゆかりの場所にも行ってみたいと思っています。
中車:実は大学生のとき、好きなスポーツカーを一目見るために、当時代理店があった岡崎市まで東京から車を走らせた思い出があります。結局、その車を手に入れることはなかったのですが(笑)
▽最後に、岡崎市民の皆さんにメッセージをお願いします。
中車:歌舞伎は敷居が高いと思われがちですが、そうではないと伝えることも私たちの使命。澤だか屋一門で精一杯やらせていただきます。
勘十郎:一回だけの公演でも、一カ月近い公演でも、面白いものを作ろうという想いは同じです。皆さんに受け継いでもらえるよう、楽しんで作品を作りたいと思います。
※「澤だか屋」の「だか」は環境依存文字のため、かなに置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
問合せ:文化振興課
【電話】23-6615【FAX】23-6343
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