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健康講座 コロナウイルス感染症が5類になった今とこれから

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愛知県岩倉市

■コロナウイルス感染症が5類になった今とこれから
岩倉東クリニック 村瀬 洋介
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が起こってから約3年の時が過ぎ、ようやくわが国においても5月の連休明けから感染症の5類となりました。そこで今回は、インフルエンザと同等の5類になった現在とこれからについて私なりの見解を述べさせていただきたいと思います。
まずコロナウイルス感染をどう考えるかですが、5類になったことで感染しても行動制限を受けることがなくなりました。しかし、5類になったからといって、ウイルスの感染力が下がったわけではありません。このため感染が判明した方はもちろんですが、発熱、喉の痛み、咳などのいわゆる風邪症状が出た時には、やはり他の人に感染させないような配慮が必要になります。このような症状の方の診察はそうでない方との接触を避けて行うよう現在も国から指導があり、当院でも場所を分けて行っています。感染が判明した場合、学校への登校や会社への出社に法律上の規制はありませんが、インフルエンザに感染した場合と同様に一定期間の休みを要請されることが通常ではないかと思います。厚生労働省も症状がでてから5日間、症状が消失してから24時間以上経過してから人と会うことを推奨しています。この原稿を書いている6月現在、コロナウイルス感染者は多いとはいえません。しかし、夏に感染の波がくるとの予測もあり、本誌が発行される頃には感染者が増えているかもしれません。このような感染の波を繰り返して集団免疫ができていき、やがて大きな波が来なくなると予想しますが、それにはまだ時間がかかると思います。
私が診ている印象では、感染するとやはり高熱やひどい喉の痛みなどを訴える方が多く、日常生活に支障をきたすことになるであろうことを考えると、引き続き「うつらない、うつさない」心がけが必要だと思います。
今診療をしていて感じることは、冬でもないのに風邪症状で受診する患者さんが多いことです。ニュースなどでも取り上げられていますが、コロナウイルス以外の感染症、RSウイルス、アデノウイルス、手足口病、ヘルパンギーナといった主に小児に多い感染症が増えていたり、インフルエンザがこの季節でも無視できないくらい感染者がいます。最近では、麻疹排除国であるわが国で患者が診断されたという報告もありました。幼稚園や学校では原因がはっきりしていない風邪が流行っていると、親御さんから聞くことが多くなっています。いろいろな検査をしても病原体を特定できないケースも増えています。これらの原因の1つとして、マスクの着用が任意となり、すべての感染症に対する防備が下がったこと、そしてマスク生活の間に免疫力が個人も集団も落ちてしまったことなどが考えられています。いずれにせよ感染症にかかると周りの方を巻き込む可能性もあり、また自分自身もつらい症状に悩まされることになりますので、周りの方に配慮しながらこれからも注意していただきたいと思います。

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