■その人の人生にスポットがあたる場所 ケアドカフェ「みんなのお家」
下本町の閑静な住宅街には、月に2回賑わいを見せる場所があります。6月で10周年を迎えたケアドカフェです。いわくら認知症ケアアドバイザー会のカフェ部会のスタッフが運営しているこのカフェは、認知症の人もそうでない人も分け隔てなく、笑顔で過ごすことができる場所です。
開設のきっかけは、スタッフの親友が若年性認知症と診断されたことでした。彼女を介護する息子から、「今まで通り近くの喫茶店に気軽に行けたら」と相談され、地域の居場所を作れないかと認知症ケアアドバイザー会で相談したところ、場所を提供してもらえることになり、石仏町でスタートしました。
開催すれば必ず誰かが来てくれて、誰も来なかった日はなかったと言います。必要としている人が来てくれて、スタッフもやりがいを感じるwinーwinの関係があったからこそ、10年間続けることができたそうです。
カフェにはさまざまな人が訪れます。おしゃべりを楽しみに来る人、たまに開催されるイベントを楽しみに来る人、アコーディオンを演奏するために来る人、その音楽に合わせて歌う人もいます。中には認知症の症状が進行してこわばった表情で来店される人もいますが、何度か通ううちに穏やかな表情になる人もいました。家では大変だったけれど、ここに通うようになって少し穏やかになったと、家族から感謝の言葉をいただいたこともありました。
コロナ禍でも活動を途絶えさせず、できることを継続してきました。石仏町の場所が使えなくなったときも、すぐに今の場所を提供してくれると手を差し伸べてくれた人がいて、活動している姿を見てスタッフとして活動したいと言ってくれる人もいて、周りの人に恵まれたと、この10年を振り返ります。
10年が経ち、当時と今とでは、場所もスタッフも少し変わりましたが、皆が集まってくれるこの風景が変わらず嬉しいと言います。これからも場所を提供していただける限りは、続けていきたいと笑顔で語っていただきました。
問合先:長寿介護課長寿福祉グループ
【電話】38-5811
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