■武田勝頼本陣跡・医王寺 片葉の葦(あし)
長篠・設楽原の戦いの前半戦に位置づけられる長篠城の攻防戦の時、勝頼は長篠城の北方にある医王寺に本陣を置いていたことで知られていますが、ここに伝わる「片葉の葦」の伝説をご存知でしょうか。
武田軍の軍議で設楽原へ進軍することを決定した日の夜、勝頼の夢枕に一人の老人が立ち、「進軍をしてはいけない」と勧めたといいますが、勝頼はその忠告に憤り、太刀で老人の腕を切り落としてしまったといいます。翌朝、医王寺を出発しようと門前にある「弥陀(みだ)が池」を見ると、池のまわりに生えていた葦の葉が全て片方のみになっていました。
これが片葉の葦の伝説とされており、現在も片葉の葦が生えています。
伝説の真偽については定かではありませんが、不思議で計り知れない神秘性こそが人々の心を打ち、歴史ロマンを感じさせてくれます。
この伝説が今も地域に親しまれ、大事に語り継がれているのはその所以(ゆえん)ではないでしょうか。
問合せ:長篠城址史跡保存館
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