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【連載】市民病院発 ほのか診察室シリーズ第183話

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愛知県新城市

■お口の中のケアについて〜誤嚥性肺炎を予防するために〜
監修:市民病院看護部3階病棟
ID:751376216(ほのか診察室)
今回は食べ物がうまく飲み込めなくなる嚥下障害(えんげしょうがい)についてお話しします。
嚥下障害とは、食べたものが飲み込みにくくなる状態です。高齢になると、虫歯や歯周病などが原因で歯を失ったり、舌の動きや食べ物をかみ砕く筋力の低下、唾液の分泌や味覚の低下が起こります。加えて、食べ物を飲み込む筋肉が衰えることで食べ物を飲み込む動作に障害が出てくると言われています。
食べた物を飲み込む動作に障害がでてくると、お茶や食べ物を摂った時にむせる・咳込む・飲み込みづらいといった症状があらわれます。口腔内は細菌の温床です。食べ物が飲み込みにくくなると、唾液や食べ物に含まれる細菌が気管支や肺に入り込むことで誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起しやすくなります。
厚生労働省発表によると、肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者で、70歳以上の高齢者の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎といわれています。飲み込む機能の低下は、加齢だけでなく脳卒中やパーキンソン病などの疾患からもおこります。むせや咳込みのある場合は、日頃から口腔内の清潔を保つことにより、口腔内の細菌の数を減らすことで誤嚥性肺炎の予防につながります。
そこで日頃行なっているお口のケアについて紹介します。
▼お口の中の清潔を保つために行なうと良いこと
▽1日3回、毎食後に歯磨きをしましょう
食事の後は口腔内に食べかすや汚れが残っていて菌が繁殖しやすい状態です。食後に歯磨きをすることできれいな状態を保ちやすくなります。

▽歯磨き以外でも頻回にうがいをしましょう
うがいをすることで、口腔内の菌を減少させることができます。就寝前におこなうことも効果的です。

▽口腔内の保湿ケアをしましょう
唾液は口腔内の菌の繁殖を抑えたり、虫歯や歯周病を防ぐなど多くの重要な働きをしています。そのため、唾液の分泌が低下し、口腔内が乾燥しているとさまざまなトラブルの原因になります。特に寝たきりの方は口腔保湿剤などを使用し保湿することが大切です。

▽入れ歯をきれいにしましょう
入れ歯をはずし、残っている歯があればハブラシでブラッシングし、はずした後の口腔内はスポンジブラシ、舌ブラシを使用し歯肉・舌・頬粘膜をきれいにしましょう。口腔内の細菌の繁殖を減らすことができ、マッサージ効果もあるため口腔内の血行も良くなります。入れ歯は毎食後きれいに洗い、就寝中は一番細菌が繁殖しやすいため就寝時はできるだけはずして寝ましょう。

誤嚥性肺炎の予防だけでなく健康を維持していくためにも、お口のケアを続けていきましょう。

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171

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