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奥三河ミライバレープロジェクト vol.16

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愛知県新城市

老化細胞に関する研究が近年急速に進んでいます。約50回分裂した体細胞は分裂しなくなり、その場に留まっていることが、1961年に米国で発見されました。2000年以降になると免疫染色という手法で老化細胞が体内のどこにどれくらい存在しているかが見えるようになってきています。
老化細胞には、(1)アポトーシス(細胞の自然死)せずにその場に留まる、(2)様々なサイトカイン(局所で働くタンパク質)を分泌し、まわりの細胞に影響を与える、という2つの特徴があります。その結果、老化細胞の周りでは炎症や線維化が起こり、機能が低下していくことが分かっています。
また、老化細胞は様々な疾患を引き起こします。例として、老化した軟骨細胞が変形性関節症を、老化した心筋細胞が心不全を引き起こすことが分かってきました。そのため、老化細胞を除去する薬剤の開発が進んでおり、動物実験では老化細胞除去療法により活動性向上や寿命延伸などの効果が確認されています。また、人での臨床治験も進んでおり、私たちも注目しています。
不老不死の研究は、人類の長年の夢であり、近い将来には、その一部が実現するかもしれません。しかし、今の段階では、バランスの良い食事や適度な運動、質の高い睡眠などが健康長寿にとって重要であることは言うまでもありません。

文責:
名古屋大学大学院 医学系研究科 人間拡張・手の外科学
教授 山本美知郎

問合せ:総合政策課
【電話】23-7696

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