■梅毒~身近な性感染症~
監修:臨床検査課
◇梅毒ってどんな病気?
梅毒は昔から知られる性感染症の一つで、Treponema pallidum(トレポネーマ パリダム)という細菌が感染することによって起こる病気です。戦前までは、不治の病とされていましたが、治療薬が開発されて以降は完治できる病気になりました。しかし、梅毒の患者数は年々増加し2023年の患者数は調査が始まって以来最多の3,701人でした。近年では、20代を中心とした女性で急増しています。
◇感染経路
主な感染経路は、梅毒感染者との粘膜や皮膚などの直接接触です。一回の性行為でも、15~30%の確率で感染します。Treponema pallidumは生体外では簡単に死滅するため、性行為などの直接接触でしか感染しません。
◇症状
感染してから、3~6週間の潜伏期間を経て発症します。発症してから経過ごとに、1~4期に分けられます。1期・2期は早期梅毒といい、3期・4期は晩期梅毒と言います。
1期では、感染部位に「硬結」といって赤く無痛性の硬い発疹ができます。これらの発疹はやがて消え、無症状の期間が数カ月続きます。2期では、「ばら疹」という淡い発疹が全身に現れます。ばら疹も数日で消えますが、数カ月おきに発疹が出現したり消えたりを繰り返します。感染後3~10年ごろから3期・4期となり、心臓・血管・神経などに障害が現れます。
◇検査・治療
血液検査で診断することが出来ます。しかし、感染後4週以上経過しないと血液検査で陽性とならないので、感染直後に検査をしても梅毒の診断はできません。
治療では、抗菌薬の点滴や内服が主に行われます。
◇予防・まとめ
梅毒にかかっている人との性交渉は避けてください。
梅毒は一度かかっても再度感染することがあるので油断しないようにしてください。
妊娠中のお母さんが梅毒に感染していると、お腹の赤ちゃんにも感染することがあります。死産や早産、または障害をもって生まれる可能性が高くなります。何か不安なことがあれば、自分のため、パートナーのため、赤ちゃんのためにも検査を受けましょう。
症状があれば病院へ!
問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
ID:751376216(ほのか診察室)
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