文字サイズ
自治体の皆さまへ

再発見!わがまちの文化財・施設紹介vol213

19/27

愛知県新城市

■文殊山城址のブナ(椈(ぶな)、橅(ぶな))
作手地区の文殊山城址には立派なブナが生えています。幹囲4.9メートル、樹高23.0メートルもあり、県下随一の巨木です。このブナは地上1メートルのところで数本に分かれています。これは伐採が複数回おこなわれ、萌芽更新を繰り返したものと考えられます。
ブナ林は温帯に見られる落葉広葉樹林の典型的なものです。本州中南部では、標高の高い寒い地域でブナ林が形成されてきました。しかし、昭和の拡大造林によってその多くは失われてしまいました。ブナは水分を多く含み腐りやすく、当時の木材加工技術では利用が難しかったためです。木材として使えないことから木ヘンに無と書いて橅となったとする説もあるくらいです。しかしブナ林には自然界で大切な役割があります。ブナの葉は固く、落ち葉が分解されにくいため、地上に厚く堆積します。するとその落ち葉がスポンジのように雨水を保水するため、ブナ林は水源かん養林としての機能が高いのです。また、秋頃にはどんぐりを実らせます。三角錐形をしておりソバの実に似ているため「そばぐり」などと呼ばれています。どんぐりは栄養価が高く、リスやツキノワグマなど森の生きもの達の大好物です。令和5年は全国でブナの実が凶作であったため、森の生きもの達にとって受難の年であったと考えられます。

問合せ:鳳来寺山自然科学博物館
【電話】35-1001

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU