■首洗池(くびあらいいけ)
竹広交差点のすぐ近くに、首洗池という名の池があることをご存知でしょうか。
この池は、昔は赤く濁っていたと伝えられています。それは、長篠・設楽原の戦いの際に、討取った武士の首や刀、武具などの血をここで洗ったためだと地元では言い伝えられています。
では、なぜ首を洗う必要があったのでしょうか。それは、この当時行われていた首くび実検(じっけん)という風習が関係しています。
首実検とは、戦いで討取られた首の身元を確かめることをいいます。当時は、討取った敵の首が自身の戦いの手柄の証拠であり、それにより恩賞にあずかることができたといいます。しかし、敵の首を切り落としたままの状態では血だらけで、誰のものか判別できないため、首実検をする前に首化粧(くびけしょう)が施されたそうです。首を水でよく洗い、血や土などを落とし、髪を結い直し整えました。高貴な人の首であれば、お歯黒や白粉、紅を施すこともあったといいます。敵の戦死者に対して最大限の敬意を払い、最期は綺麗な状態で弔うという目的もあったと考えらます。
こうして、首化粧された首に札をつけ、首台または首板の上に置き、首実検が行われました。
首洗池はそうした当時の風習を現代に伝えてくれる貴重な場所でもあります。
問合せ:設楽原歴史資料館
【電話】22-0673
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