皆さんは、今の生活が充実していると感じていますか。
仕事や子育て、趣味など、生活の中で重きを置いているものは人それぞれです。
一人一人が人生を通して充実した時間を過ごせるように、改めて、今ある時間の過ごし方について考えてみませんか。
◆ワーク・ライフ・バランスとは?
直訳すると、「仕事と生活の調和」です。仕事と生活がバランス良く両立されていて、相互に好循環を生み出している状態を指します。
よくある解釈として「仕事よりもプライベートを優先すること」「仕事と生活の割合を均等にすること」と考えられることがありますが、本来のワーク・ライフ・バランスの趣旨は、一人一人に合ったバランスで仕事や生活ができることです。
自分に合ったバランスで働き、仕事での責任を果たす一方で、子育てや介護、趣味、自己啓発などプライベートの時間を持ち、健康で心豊かな生活を送ることのできる状態が、ワーク・ライフ・バランスの望ましい姿です。その実現が、より充実した生活へとつながります。
◆働き方の変化とともに求められるワーク・ライフ・バランス
◇無くならない性別役割分担意識
1980年から2020年に行われた総務省の調査によると、共働き世帯と男性のみが働く世帯の合計に対する共働き世帯の割合は、40年間で約2倍となっています。
しかしながら、内閣府の世論調査(2022年)によると、主に夫が働き、妻が家事をするという役割分担意識が未だに残っている現状があります。働き手世代の人口減少などによって性別を問わず社会での活躍が必要となる今、このような性別役割分担意識を無くすことが重要です。
◇理想と現実のギャップ
2020年に市が行った調査では、優先したいこととして、仕事のみを挙げる市民はわずか4%であったのに対し、現実では「仕事を優先している」という回答が、約10倍の42・6%を占めており、多くの人が理想と現実の暮らしにギャップを感じていることが分かります。子育て期や中高年期といった人生の各段階で、望ましいバランスが異なるのは当然のことであり、人生の在り方も一人一人異なります。それぞれに合った働き方ができるよう、一人一人がお互いの生活を尊重し、配慮し合う必要があります。
◆ワーク・ライフ・バランスが生み出すメリット
◇心身の健康維持
何よりも大事なことは、心も体も健康でいられることです。自分に合ったバランスで働き、生活を送ることで、心にも余裕が生まれ、心身の健康維持につながります。
◇私生活の充実
家族と過ごす時間や趣味に費やす時間、スキルアップのために勉強する時間、地域活動に参加して人とのつながりをつくる時間など、自分に使う時間を大切にすることで私生活が充実し、満足感や活気の向上につながります。
◇充実した働き方
日々の業務を見直し、不要な業務の洗い出しや作業手順の改善などをすることで、作業が効率化し、働き方に余裕が生まれ、私生活で必要な時間をつくり出すことができます。さまざまな経験ができるようになることで視野も広がり、仕事における意欲や創造性の向上にもつながります。
・視野が広がり意欲や創造性が向上
・効率が上がり短時間で成果を挙げられる
・人とのつながりやスキルアップによって新たなアイデアが生まれる
・家族や趣味など私生活の充実
◆ワーク・ライフ・バランスを実現するために個人ができること
・ワーク・ライフ・バランスについて正しく理解する
正しい知識を身につけて、一人一人に合った働き方を考えることが大切です。
・仕事や生活のスケジュールを見直す
自分のスケジュールを見直すことで、時間の使い方を改善することができます。
・職場で利用できる休業・休暇制度を知る
介護・育児休業など、良く知られている制度以外にも、自分が利用できる制度がある場合があります。
・家族や友人、職場の人など身近な人に相談する
一人で抱え込まず、自分の思いを伝えることも大切です。人の体験談が自分に役立つこともあります。
・それぞれの働き方に配慮した職場づくり・雰囲気づくりに努める
自分と周りの人では望ましい働き方にも違いがあることを理解し、思いやりを持つことで、自分のワーク・ライフ・バランスにもつながります。
一人一人が充実した毎日を送り、心豊かな人生を歩めるよう、できることから取り組んでみませんか。
◆企業のメリットと取り組み
従業員の一人一人がワーク・ライフ・バランスについて理解し、行動することも大切ですが、働く環境の基盤を整備することも重要です。ワーク・ライフ・バランスは働く人だけでなく、企業へもさまざまなメリットを生み出します。
◇企業へのメリット
・従業員の定着率向上
従業員の働き方に関するニーズに対応することは、従業員の離職・流出や労働意欲の低下を防止するほか、優秀な人材の獲得・定着にもつながります。
・生産性の向上や時間外労働の削減
スケジュールの見直しや、私生活の充実による意欲の向上によって、従業員の業務効率が改善し、生産性の向上や時間外労働の削減につながります。
・企業イメージの向上や愛着の醸成
従業員を大切にするという企業のイメージは、外部からのイメージを向上させるだけでなく、従業員の会社に対する愛着も醸成します。
◇企業ができる取り組み
・休業・休暇制度を活用できる環境をつくる
・働く場所や時間の選択肢を増やす
・働き方に関する相談窓口を設置する など
普段から会社を支えている従業員を守るためにも、企業でもワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みを進めていきましょう。
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