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Special Interview

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愛知県春日井市

◆(祝)杭州アジアパラ競技大会陸上競技(T64)
200m(アジア新記録)金・100m銀
・義足のアジア最速スプリンター 井谷俊介さん
春日井市在住。三重県出身。SMBC日興証券株式会社所属。インドネシア2018アジアパラ競技大会100mで金メダルを獲得。ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会で日本人初の100m・200mで決勝に進出。杭州2022アジアパラ競技大会で200m金・100m銀メダルを獲得。200mではアジア新記録を樹立。
出場クラス:T64(片側に下腿義足を装着し競技するもの)100m・200m

◇みんなの喜びが生きる力に
私は、大学在学中の平成29年2月、バイクで走行中に事故に遭い、右膝から下を全て失いました。失意のどん底の中、自分を救ってくれたのが陸上です。
子どもの頃から体を動かすことが大好きで、特に走ることが好きだったこともあり、退院後、母親の勧めで義足ランナーが集まる陸上クラブを見学し、競技用義足で実際に走る体験をしました。2か月ぶりに自分の足で走りましたが、風を切る感覚が本当に心地よく、自然と笑顔になっている自分がいました。そして、何よりその様子を見ていた家族や友人が凄く喜んでくれていて、周りが喜んでくれることがこんなに幸せなことなんだと気付きました。
みんなにもっと喜んでもらえるよう、東京パラリンピック出場を目標に、陸上競技に挑戦しようと決意を新たにしました。

◇東京パラ落選で目的を見失う
平成30年11月から本格的に陸上競技を始め、国際大会で優勝を果たすなど、もう少しで東京パラリンピックの代表に手が届くところでしたが、コロナによる東京パラリンピックの延期や強力なライバルの出現などにより、結果、東京パラリンピック出場を逃し、目標だった夢舞台が幻となりました。それまで努力してきたことが無意味になったと思い、モチベーションが低下してトレーニングにも身が入らず、何も考えられない状況が続きました。一時は競技生活の引退も本気で考えました。

◇初心に立ち返りさらに成長
元々走る楽しさだったり、みんなに喜んでほしいという思いで始めた陸上でしたが、気付けば自己実現が目的となってしまっている自分がいました。自分を見つめ直すため、トレーナーをはじめさまざまな方からサポートをいただきながら、初心に立ち返り、ゼロからの気持ちで真摯に陸上と向き合い、トレーニングを重ねてきました。
そして、令和5年10月、2019世界パラ陸上競技選手権大会以来となる国際大会「杭州アジアパラ競技大会」において、200m金メダル、100m銀メダルを獲得することができました。200mではアジア新記録も樹立しました。今持っている力を最大限発揮することができたと思います。

◇目標はパリパラリンピック出場
来年開催されるパリパラリンピックの出場を目標に、周りへの感謝や初心を忘れず、これからもトレーニングに励んでいきたいと思います。

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