春日井郷土史研究会 小木曽
◆なべぶた
サンフロッグ春日井の南側一帯を「なべぶた」と呼んでいたそうです。この地名は蟹江町の「鍋蓋新田」にも見られます。鍋蓋新田は、水田と住家の景観が鍋の蓋のようであったことが名前の由来と言われており、当地の「なべぶた」も鍋蓋新田と同様、低湿地(※)と関連の深い地名であったようです。
「なべぶた」一帯には、近世初頭まで大手(おおで)池という大きなため池がありましたが、入鹿(いるか)用水完成後に新田となりました。現在の大手小学校南側の水路が当時の入鹿用水の名残です。この水路は小牧市下末(しもずえ)から田楽町にかけて段丘を南下し、岩野町2丁目で向きを西に変え、前並町方面へと流れています。この辺り一帯は南北の段丘間の狭い低平地であるため、皿状池が集中的に発生し、そこへ下原町方面からの小河川の水も流れ込み、しばしば水があふれました。そうした景観が「鍋蓋」に見立てられたと考えられます。
※低い所にある、じめじめした土地
なべぶた:サンフロッグ春日井南側
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