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春日井のおもしろ地名

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愛知県春日井市

春日井郷土史研究会 富中

◆東光坊(とうこうぼう)
東光坊は鷹来町と南下原町のどちらにもある、大変珍しい字名です。東光坊は小牧の大山(廃)寺の脇寺の名前です。
「大山寺縁起(おおやまでらえんぎ)」によると、天台宗の玄海上人(げんかいしょうにん)が、廃止していた寺を永久年間(1113〜1118年)に大山峰正福寺(おおやまみねしょうふくじ)(以後、大山寺)として再興したとされ、この辺りの寺を従える一大勢力となりました。しかし、二代目の玄法(げんぽう)上人のとき(1152年)に延暦寺の僧兵に焼かれてしまいます。
平安時代末期に延暦寺と三井寺が抗争を始め、大山寺はこれに巻き込まれたようです(三井寺が襲ったという説もあります)。言い伝えによると、この時、下街道(鳥居松方面)から北上して来た僧兵を、この地で迎え撃ったとされています。東光坊が大山寺の脇寺のなかでも比較的大きかったことが拠点となった理由でしょう。抗争の末、敗退してしまいましたが、その後、東光坊が地名として残ったといわれています。
大山寺縁起の記述と大山廃寺の発掘調査結果には異なる点もあることから、今後の研究の進展を期待したいと思います。
※本寺に附属する寺

東光坊:市民病院周辺

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