まずは気付くことからアンコンシャス・バイアス
どんな人を思い浮かべますか?
■アンコンシャス(無意識の)バイアス(思い込み)
アンコンシャス・バイアスは、直訳すると「無意識の思い込み」。性別や年齢など、一部の情報で人を判断してしまうことなどを指します。
皆さんは、良かれと思ってしたことがかえって相手を不快にさせてしまった経験や、自分に対して「どうせできない」と思ってしまった経験はありませんか。これは「無意識の思い込み」から生じた判断によるものかもしれません。
思い込みにとらわれず、誰もが自分らしい生き方ができるよう、自分が持っているアンコンシャス・バイアスについて考えてみませんか。
■まず初めに、自分の中のアンコンシャス・バイアスを探してみましょう!
〇仕事より育児を優先する男性は仕事へのやる気が低い
〇親戚や地域の会合で食事の準備や配膳をするのは女性の役割だ
〇女性に理系の進路(学校・職業)は向いていない
〇男性は人前で泣くべきではない
〇男性は結婚して家庭をもって一人前だ
〇家事・育児は女性がするべきだ
〇女性は感情的になりやすい
〇育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない
〇男性は仕事をして家計を支えるべきだ
〇女性社員の昇格や管理職への登用のための特別な教育・訓練は必要ない
〇大きな商談や大事な交渉事は男性がやる方がいい
〇自治会や町内会の重要な役職は男性が担うべきだ
出典:「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)チェックシート」(内閣府男女共同参画局)(https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/seibetsu_r03.html)
■誰もが持っている「無意識の思い込み」
私たちは、過去の経験や周囲の意見など、これまでに得た情報から無意識のうちに物事を判断しています。これは効率的に物事を捉えようとする脳の働きによるものです。このため、アンコンシャス・バイアスは誰もが持っているもので、持つこと自体は決して悪いことではありません。
しかし、自分が持っているアンコンシャス・バイアスに気付かずにいると、「男性は普通こうするだろう」「女性はこうした方がいいだろう」などと、勝手な思い込みを相手に押し付けてしまい、知らず知らずのうちに相手を傷つけてしまったり、相手に誤った評価をしてしまったりすることがあります。
そして、それは他人に対してだけ生まれるものではありません。自分に対しても「男性だから」「女性だから」などと思い込んでしまうことで、自分自身の可能性を狭めてしまうことにつながります。
≪例えば…≫
・家庭で
親がそうだったから…
料理は女性がしてくれるだろう
・職場で
以前の部署でもそうだったから…
女性に大きなプロジェクトを任せると負担が大き過ぎるだろう
・地域で
今までの慣例だから…
会長などの役職は男性に任せる方がいいだろう
アンコンシャス・バイアスは性別に関することだけではありません。
他にはこんなところにも…
・この年齢では挑戦しづらいだろう
・学歴が高い人は何でもできるだろう
・災害が起きても自分は大丈夫だろう
・上司が言っていたから正しいだろう
・みんなの意見に合わせた方が良いだろう
これらはほんの一部で、無意識の思い込みは日常にあふれています。
■継承されるアンコンシャス・バイアス
大人の思い込みによる押し付けは、家庭や学校、地域などで、子どもたちに強い影響を与えます。
また、こうしたアンコンシャス・バイアスは、固定的な性別役割分担意識を生み出し、人々の生きづらさにつながってしまいます。
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