第1回市議会定例会にて、石黒直樹市長による市政方針演説が行われました。その内容を要約して紹介します。
本市は、市制を施行してから80年が経過し、現在では30万人余の市民が暮らす成熟した都市へと発展してきました。そして、良好な住環境や利便性の高い交通環境は、住みやすいまちとして、高い評価をいただいているところです。
わが国の人口は、2008年をピークに減少に転じ、現在の出生率や人口構造を踏まえると、今後、多くの自治体で人口減少がさらに加速することが推察されます。
本市においても、市制施行以降、初めて人口減少の局面に入っています。地域コミュニティの衰退を始め、社会的孤立や労働力の低下など、地域社会を取り巻く環境が大きく変容し、市民の暮らしや地域経済に様々な影響が及ぶことが懸念されるところです。
本市にとって大きな転換期を迎えている今、市政を担う者として、将来に対しても責任を果たしていくという強い決意のもと、春日井の輝く未来を描くとともに、その実現に向けて全力で取り組んでいきます。
これまで本市では、人口の増加や市民ニーズの多様化にあわせて、多くの公共施設を整備してきましたが、これらの施設は老朽化が進み、更新の時期を迎えています。
このような状況の中、人口減少に伴う利用需要の変化や今後の更新に要する経費などを踏まえると、将来世代に過度な負担が生じないように、施設のあり方を見直していく必要があります。
それぞれの地域の実情を考慮した上で、施設の複合化や集約化などを多角的に検討し、効果的・効率的な行政運営を進めるとともに、将来にわたり持続可能な都市を築いていきます。また、施設の運営を企業や団体に委託するなど、官と民が協力してサービスを提供できる体制を構築し、民間の多彩な視点を取り入れながらサービスを充実していきます。
さて、2024年に国内で生まれた日本人のこどもの数は、初めて年間70万人を下回る見込みです。また、本市の昨年の出生数は約2000人であり、10年前の約7割にまで減少しています。
少子化が進む社会において、社会機能や地域活力を維持していくためには、若い世代から愛され、そして選ばれる魅力的な都市を形成していくことが重要です。
今後も、働きながら安心して子育てができる社会環境の整備に取り組むとともに、こどもたちが夢と希望を持ち、安全安心に学校生活を送ることができるように、教育環境の充実に力を入れていきます。また、市の玄関口である鉄道駅周辺の整備や公園の再整備などを進め、魅力あふれるまちづくりに取り組んでいきます。
私は、地域における活動は、参加される方の喜びや楽しみとなるだけでなく、様々な課題を抱えた方に寄り添い、そして、安心感につながる重要な役割があると考えています。しかし、多くの団体では、人材が高齢化あるいは減少している状況にあり、地域の持続的な活動を支えていくための取組が必要となっています。このため、地域で活動する団体への支援を充実し、活動しやすい環境を整備するとともに、活動される皆様のいきがいづくりや負担を軽減する取組を進めていきます。
市民の皆様が、10年後、20年後、さらにその先も、心豊かに幸せを感じながら暮らすことができるまちの実現に向けて、将来にわたり個人が身体的・精神的、そして、社会的にも幸せな状態であるというウェルビーイングを高めていくとともに、地域全体のウェルビーイングの向上に取り組んでいきます。
※市政方針の全文は市ホームページに掲載しています。(ID:1030938)
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