■地震で岩石が飛び出す
江戸時代の1718年、現在の飯田市南信濃和田付近を震源とするM7.0の地震があり、天龍村坂部から旧富山村大谷にかけての地域で50人余が石に打たれて亡くなったという記録があります。『天龍村史』には「山が崩れて遠山川を堰き止め、天竜川沿いの急斜面にあった岩石が飛び出して土砂降りの雨のように人・家・家畜をおそった」といったことが書かれています。
また奈良時代の715年には現在の佐久間ダム付近を震源とするM6.5~7.5の地震があり、山崩れが天竜川を塞いだという記録があります。どちらも後に、川を堰き止めた土砂が決壊して、下流の家が流されました。
東栄町では地震による被害の話をあまり聞きませんが、記録に残されていないだけかもしれません。ご自宅近くの斜面や崖に危険がないかどうか、すぐにでもチェックしておきましょう。
防災士 宮下英治
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