歴史民俗資料館の学芸員・田中が町にまつわる歴史や文化等を紹介するコーナーです。
◆武豊の山車はいつからあった?
これまで山車に関する話をしてきましたが、そもそも山車っていつからあったのでしょうか。
前回5月号で紹介した文書には「文政(ぶんせい)八年」と記されており、1825年には5つの地区で祭礼が行われていたことが分かります。
もう少し昔の天明(てんめい)の頃(1781~89)に、知多・春日井郡の様子をまとめた『張州雑志(ちょうしゅうざつし)』と、宝暦(ほうれき)5(1755)年の『尾陽村々祭礼集(びようむらむらさいれいしゅう)』の武雄神社の項に、山車が1輌あったと記されています。現在のどの山車かはわかりません。
また『張州雑志(ちょうしゅうざつし)』には、富貴市場区に山車があったとあり、「船ヲ飾リテ…」と山車の特徴についても記されています。現在の形ではなく、船に車輪を付けた車楽(だんじり)のような形だったと思われます。現在の船を置いた山車は他に類例がなく、廻船を多くもった富貴市場ならではのものです。
武豊町には、200年以上前から山車があったのです。受け継がれてきた文化をこれからも大切に守っていきたいですね。
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