市民病院 院長
川井 覚
■健康寿命について
全国の100歳以上の高齢者は、今年9万5000人を超え過去最多を更新しました。30年前は5600人程度であったことを考えると、まさに人生100年時代の到来が現実のものとなりつつあります。
日本は長寿大国として知られており、2023年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性81.09歳といずれも3年ぶりに前年を上回りました。
自分が健康で元気なら長生きしたいが、体の自由が利かない不健康な状態では長生きしなくてもいいと考えられる方も多いと思います。
「健康寿命」とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義され、平均寿命より男性で約9年、女性で約12年短いといわれています。生まれてから亡くなるまでの平均余命を意味する「平均寿命」も大切ですが、日常生活を制限されず健康に生活できる期間である「健康寿命」も、健やかな人生には欠かせない要素です。健康あってこその人生です。病気がちで寝たきりではつまらないでしょう。
健康寿命を延ばすためにはバランスの良い食事や運動習慣を意識し、検診などで生活習慣病の早期発見・重症化予防に努めることがいいとされています。その内容を具体的に挙げてみます。
(1)魚や野菜を中心に、バランスの取れた食事をとるように努める。
(2)ウォーキングや軽いジョギングなど、日常的な運動を取り入れる。
(3)質の良い睡眠を十分にとる。
(4)喫煙や過度な飲酒を控える。
(5)肥満は様々な病気のリスクを高めるため、適正体重を維持する。
(6)病気の早期発見・早期治療のため定期的に健康診断を受ける。
(7)歯や口腔内の健康を保つため定期的に歯科検診を受ける。
(8)他人との会話や趣味、読書、ゲームなど、脳を活性化させる活動を取り入れる。
これらの習慣を取り入れることで、健康寿命を延ばし、より充実した生活を送ることができるかもしれません。まずは無理のない範囲でどれか1つでもいいので取り組んでみてはいかがでしょうか?
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