市民病院 院長 川井覚(かわいさとる)
■災害に備えて
初めまして。4月より津島市民病院院長に就任しました川井覚です。神谷前院長より引き継いでこのコラムを担当します。よろしくお願いいたします。
今年は元日に能登半島で大きな地震があり、改めて日本が地震大国であることを認識させられました。この原稿を書いている今も震災で被災し能登地方から現地で治療を受けることができない患者さんが続々と愛知県に医療疎開してきており、当院もその受け入れの一部を担っています。
1月4日には現地からの要請で当院からも医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士からなるDMAT(災害派遣医療チーム)が能登に向けて出発し、余震が続くなか現地で医療活動を行いました。現地での活動報告によりメディアの報道でうかがい知るよりも現状が悲惨で、混乱をきわめていたことがわかり、日ごろの備えがあったとしても大きな自然災害に対しては人間がいかに無力であるかを考えさせられました。そんな中で医療の存在が地域住民にとって不可欠なものであることも再認識させられました。
当院は災害拠点病院であり、いざ災害が起きたときは地域の皆さんの命を守るために医療を提供できる準備を日ごろからしています。近い将来起きると予想されている東南海トラフの大地震では、津波被害が起きると、この地域で災害時の救急医療の拠点となるのは津島市民病院と想定されており、その役割は大きいと言わざるを得ません。そのためにも非常用設備や備蓄を災害に耐えうるものとし、日ごろから訓練を十分に行っていくことが大切だと考えています。皆さんも災害時の備えについて一度確認、見直しをされてみるのはいかがでしょうか?
今後も病院理念である「地域とつながり安心・信頼の医療を提供します」に基づき、地域にとって必要で、救急や災害時においても必要な医療を提供できる、無くてはならない病院を目指し、頑張っていきたいと思っています。
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