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〔連載コーナー〕歴史探訪クラブ 其の232

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愛知県田原市

■太田洋愛(ようあい)ー牧野富太郎に学んだ田原出身の植物画家ー

この春に桜の名所である東京上野の国立科学博物館において「ボタニカルアートで楽しむ日本の桜-太田洋愛原画展-」が開催されました。太田洋愛(1910~1988)は田原出身の植物画家で、日本において科学的な視点を持った植物画を芸術にまで押し上げ、普及させた立役者です。特に鋭い科学的な観察・確かな技術によって描かれた桜の絵が得意でした。
この展覧会は3年前、新型コロナウイルス感染拡大のため急遽中止されたもので、当時の関係者の無念は言葉では言い表せません。それでも、洋愛の愛した桜が満開となる季節に、多くの方々の努力によって、改めて展覧会が開催されたことは非常に喜ばしいことでした。
私自身も現地へ足を運びましたが、小さな子どもから外国人旅行客まで、国も年齢も関係なく洋愛の桜の絵の前でくぎ付けとなっている姿は、田原市民として誇らしかったです。
洋愛は、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主人公・日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎に植物画の基本的な視点と技術を学び、その精神を受け継いだ植物画家でした。ドラマを機に、植物画ブームがやってきて、洋愛も注目されるのではと期待しています。
田原市博物館でも、今月から太田洋愛展を開催し、遺族から寄贈された初公開の作品を展示します。洋愛の超絶技術と芸術性あふれる作品を、この機会にぜひご堪能ください。

6月10日(土)~7月30日(日)「館蔵 太田洋愛展」
(学芸員 増山禎之)

問い合わせ:
文化財課(博物館)【電話】22-1720
吉胡貝塚資料館【電話】22-8060
渥美郷土資料館【電話】33-1127

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