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〔連載コーナー〕歴史探訪クラブ其の245

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愛知県田原市

■役行者(えんのぎょうじゃ)の像
広報たはら平成27年11月号の歴史探訪クラブ其の168で、「パワースポットを探せ役行者の像」と題して、「役行者の像」のことを書きました。この像は修験道に関わる実在した霊能者としても信仰を集め、市内の寺院、神社境内などに祭られています。
今回新たに「白谷町の役行者」と「伊川津町の役行者」を確認しましたので紹介します。
一つは白谷町の集落の西端にある木造の小さなお堂の中に安置されています。「白谷村講中」と刻まれた石の台座の岩に座り、右手に巻物、左手に錫杖(しゃくじょう)を携えた石の像です。保管されていた棟札(むなふだ)から、文政11(1828)年に、金毘羅さんのお堂とともに村内に建てられたようで、像もこの時に作られたものでしょう。像には着彩の跡も残り、とても200年近くたっているものとは思えません。地元では「荒神(こうじん)さま」と呼ばれていますが、70代の方に聞いたところ、役行者にかかる行事のことは知らないようです。それでも、正月の村内の初詣のコースとして今でもお参りは欠かさないようです。
二つ目は、変わり種で、伊川津町の海蔵(かいぞう)寺じのものです。何が変わり種かというと、石ではなく、なんと県内でも珍しい瓦製で、白谷町の石像より細かく表現されています。
心穏やかに暮らすための地域の民間信仰の実態は分からないことが多く、役行者、庚申(こうしん)様をはじめ地域から忘れられ、その行事も失われています。
(学芸員 増山禎之)

市HPで、「歴史探訪クラブ 其の168」を公開しています。ぜひ一緒にご覧ください。

問い合わせ:
文化財課(博物館)【電話】22-1720
吉胡貝塚資料館【電話】22-8060
渥美郷土資料館【電話】33-1127

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