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〔連載コーナー〕歴史探訪クラブ 其の240

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愛知県田原市

■800年前の山茶碗の魅力
平安時代終わりから鎌倉時代の愛知・岐阜・静岡県の窯で焼かれた山茶碗は、どんぶりくらいの大きさのこの時代を代表する焼き物です。名前の由来は「山に落ちている茶碗」、というざっくりしたものです。田原でも焼かれており「ガンザラ」と呼ばれ、山を開墾すると出てくる耕作の厄介者でした。
山茶碗は当時の人の日常的な食器で時には調理具、また食事以外でも使われていました。この地方の「普通」の焼き物なのですが、お墓に供えられたり、お祭りの道具としても使われた、本当に不思議な焼き物です。
さて、この不思議な焼き物は現代でも大活躍しています。考古学をはじめとする歴史研究では、その形の変化の比較で時代を測る物差しとして重要な研究対象となっています。古い焼き物の愛好家にとって今の焼き物にはない形と質感が鑑賞の対象となり、普段のお茶や食器、花器としても愉しんでいる人も多いのです。さらにこの素朴な造形に惹かれ、形、質感を何とか復元しようと陶芸家たちが挑んでいますが、どうしても超えることができないようです。
当時の職人はこんなことを予想したでしょうか?
田原市博物館では「山茶碗」の魅力をさまざまな分野から紹介する展示を行います。

■テーマ展「山茶碗」てナンダ
6月1日(土)~7月21日(日)

(学芸員 増山禎之)

問い合わせ:
文化財課(博物館)【電話】22-1720
吉胡貝塚資料館【電話】22-8060
渥美郷土資料館【電話】33-1127

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