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〔連載コーナー〕歴史探訪クラブ 其の241

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愛知県田原市

■三河田原駅開業100年と、田原駅から続く廃線跡

三河田原駅は豊橋鉄道渥美線の終点であり、田原市の玄関口となる駅です。三河田原駅が開業したのは、ちょうど100年前の1924(大正13)年6月10日のことでした。
さて、かつて終点が三河田原駅のさらに先にあったことをご存じでしょうか。現在の国道259号の大久保南交差点の東側に、黒川原(くろかわばら)駅が1926(大正15)年に開業し、終点となっていました。地図で見るととても中途半端な場所に感じられます。これは福江まで線路を伸ばしたかったものの、資金難などでそこから工事が進まなかったという事情によるものです。
三河田原・黒川原間は太平洋戦争の1944(昭和19)年に休止となり、レールははがされてしまいましたが、道路に転用された区間が多く、現在でも跡をたどることが可能です。おおむね三河田原駅からララグランのすぐ北側の道を通り、加治地区の丘を登っていくルートがそれにあたります。廃線跡の道路は急な坂道に弱い電車を走らせるために坂をゆるやかにしてあり、このためか現在では、自転車で渥美農業高校へ向かう学生たちの通学ルートになっています。鉄道は廃線になってしまいましたが、現在もその痕跡が人々の足として機能していると考えられます。
なお、田原市博物館では7月27日(土)~9月29日(日)まで、「開業100年渥美線展」を開催します。懐かしさ満点の写真などから、長い歴史を振り返っていきたいと思います。
(学芸員 木村 洋介)
※駅のあった場所の地名は大久保町黒川原(くろがわばら)ですが、駅名は「くろかわばら」と命名されています。

問い合わせ:
文化財課(博物館)【電話】22-1720
吉胡貝塚資料館【電話】22-8060
渥美郷土資料館【電話】33-1127

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