西町で100年以上続く陶器店を営む恵比寿屋陶器店の小永善彦(おぐえよしひこ)さん・好子(よしこ)さんご夫妻。店舗前には東海道が通っており、市の伝統行事である「知立まつり」や「秋葉まつり」の際は、お店の前を山車が通ったり、玉箱を担いだ若衆が練り歩きを行ったりと多くの人でにぎわいます。今回は、長年「まつり」を見守ってきたご夫妻にお話を伺いました。
■伝統行事を見守ってきて
善彦さん いつの時代も頑張っている人の姿を見ることは見ていて楽しいです。「知立まつり」でいうと、町の人々から”知立神社まで絶対に山車を落とさないぞ”という強い意志を感じます。頑張っている人たちのために私たちも何かできないかと思い、少しでも道が明るくなるようにまつりの日は遅くまでお店の提灯をつけたままにするようにしています。
好子さん 毎年、まつりをこの「特等席」から見られることはすごく幸せなことです。町によっては、町外から人を集めて祭りを継続していると聞いています。それだけの思いで伝統を守っている町の人たちの姿をこれからも毎年見届けていきたいです。
善彦さん 最初の町から最後の町までを通しで見ていると、だんだんと日が落ちて来ますし、毎年、通る町の順番が変わるので、それらもまた味があって楽しみの一つです。
好子さん まつりの際には、国籍や地域を問わず、普段訪れることのない人々との関わりがあることもお店を続けていてよかったと感じますね。
善彦さん 「知立の山車からくり」が2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されてからは、観光客が増えましたね。
好子さん 一方でコロナ禍で数年間まつりが中止になったこともあったので、昨年からそれぞれのまつりが復活したことは非常に嬉しいです。
■今年の秋葉まつりについて
善彦さん 今年のハイライトはなんといっても宝町!練り歩きの後ろにすごい数の観客を引き連れて歩いて行った姿は感動しましたね。
好子さん 小さなお子さんたちが小さな玉箱を担いでおり、将来的にこの子たちが大きな玉箱を担ぐのかなと期待しながら見ていました。また、その中には女の子もいたため、新鮮さも同時に感じました。
■伝統に対する想い
善彦さん 知立市のよいところは利便性がよく地盤がしっかりしているため災害が少ないところです。一方でまつり・からくり・浄瑠璃などそれぞれの伝統や文化もすばらしく世界にも誇れるレベルだと思います。この「知立の文化の色」は未来へも引き継いでぜひ残していってほしいと感じます。
■取材を終えて(広報担当)
善彦さんは御年91歳(取材当時)。今でも読書や彫刻など多趣味で、チャレンジ精神旺盛です。ご夫妻ともにお話しすることが大好きで、お店に訪れた人との会話を絶やさないこともお元気の秘訣だと感じました。
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