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田口高校プロジェクト研究「林地残材を利用したシカの誘引について」

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愛知県設楽町

1 はじめに
今年度は、植林後のシカの食害対策を研究し、「令和5年度愛知県学校農業クラブ連盟プロジェクト発表会」の分野I類で発表しましたので、その活動内容を報告します。

2 研究の進め方
東三河地域では、シカの個体数増加に起因する植林後の苗の食害など、多くの問題があります。シカによる被害をなくすために、シカの歩く道に設置し、シカが踏んだら捕獲できる「くくり罠」に着目し、この罠にシカをおびき寄せる方法を考えました。
シカをおびき寄せるものとして、森林の環境保全や副収入にもつながるかもしれないスギ・ヒノキの葉を材料に誘引剤を作成することを目標としました。

3 検証
誘引剤に必要なのは匂いだと仮説を立て、写真1(本紙参照)の蒸留装置でできる精油によって、匂い成分の凝縮された液体(誘引剤)が作れるのではないかと考えました。スギ・ヒノキを比較すると、一般的にヒノキの匂いが強く、苗木の食害はヒノキが多いという地域の方の意見もあり、私たちはヒノキを対象木として検証することに決めました。
写真2(本紙参照)のように、精製油(誘引剤)の抽出に成功したため、次に実験装置の製作にかかりました。
写真3(本紙参照)のように、下の容器に精製油(誘引剤)を入れ、ふたをすることで匂いがそのまま上へ行かないようにと工夫をしました。

4 考察・まとめ
実験は下記のとおり行いました。1回目の実験からは、装置が破壊されたことから、ヒノキの匂いに反応している可能性があると考えました。
一方、2回目の実験では、場所に影響されたか、期間を短縮した影響か、シカが映らず失敗に終わりました。
今回の実験では確証を得ることができず、残念な結果となりましたが、これからも東三河の山間部が抱える問題を少しでも解決できるよう活動していきます。

実験 1
シカが目撃されている田口高校のグラウンドを調査地とし、写真4(本紙参照)のように実験装置を4月19日から26日の8日間セットし、シカの観察を行いました。
結果、写真5(本紙参照)のようにカメラにシカの姿をとらえることに成功しました。装置を見ると、写真6(本紙参照)のように破壊された痕跡があることから、シカが誘引剤の匂いに反応した可能性が高いと考えることができます。しかし、カメラの設置場所が悪く、装置に反応している決定的な証拠は撮れませんでした。

実験 2
次に、地域の方に協力していただき、学校外で、シカの目撃や被害が多い場所に実験1と同じ形で実験を行いました(写真7 本紙参照)。本来は2週間程度設置する予定でしたが、大雨の影響でカメラと装置が壊れることを防ぐため、時期を短縮し、5月24日~31日の1週間設置しました。
結果、写真8(本紙参照)のようにタヌキやキツネ、ネコなどの姿は確認できましたが、いずれも装置には無反応で、本命であるシカについては姿すら確認することができませんでした。

問い合わせ先:企画ダム対策課
【電話】62-0514

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