■オオバン〜数が増え身近な水鳥に〜
オオバンはからだが黒く、くちばしと額の白いのがとても目立つ水鳥です。上の写真をご覧になって「この鳥、○○池で見たよ。」という人が結構おみえのことと思います。
今でこそオオバンは豊明市内のため池で普通に見られる冬鳥ですが、私が野鳥観察を始めた1960年代後半には豊明市内はおろか、県内でも観察記録の少ない珍しい鳥でした。1972年に豊橋の広い養魚池で一羽見つけた時の嬉しさは今でもはっきり覚えています。
ではいつ頃から市内で普通に見られるようになったのでしょうか。私が市内で初めてオオバンを見て驚いたのは2010年の境川でした。その後は勅使池や若王子池のような大きなため池で徐々に見られるようになり、2019年には二村山の北にある小さな地蔵池でも越冬していましたので、オオバンはこの10年間で市内の身近な冬鳥になったものと思われます。
増えた理由としては、繁殖地の拡大、琵琶湖のような大規模越冬地からの分散などいろいろ言われていますが結論には至っていないようです。
豊明市史(自然)執筆員 浅野守彦
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