「有償ボランティアの有効活用」
豊明市長 小浮正典(こうきまさふみ)
豊明市には「おたがいさまセンターちゃっと」という独自の制度があります。登録済みのサポーターが支援の必要な方へ生活上のお手伝いをする制度であり、サポーターへ30分250円が支援を受けた方からセンターを通じて支払われます。支援を受ける方の自宅まで行き来する時間を考えると、サポーターにとってはお金だけでは割に合いません。「困ったときはお互い様」という思いのもとサポーターの方々は支援されています。根っこはボランティアです。「ちゃっと」は全国的にも注目されている先進的な取り組みです。
同様の有償ボランティアを小学校児童の通学見守り活動に今年度から採り入れた区が市内にあります。区が決めた場所で児童の見守り活動をされた方に少額の図書カードをお渡しするようにしたそうです。区会など必要な意思決定も経て制度を運用されています。同区長さんから6月に私も報告いただきました。「高齢化が進む一方、子どもの見守りは維持したいという議論から行きついた結論」と説明を受け、私は深く感銘を受けました。問題を先送りりせず、解決策を見出そうと努力された区役員さんらは素晴らしいと思いました。
今、様々な地域活動が困難になってきている事例をよく聞きます。ぜひ各区・町内会で「有償ボランティア」を検討してください。もちろん無償でのボランティアはとても尊いものです。敷地の一部をごみ集積所として提供されている方もいます。本当にありがとうございます。一方、多くの活動はボランティアをされる方に時間だけでなく、一定の「持ち出し」が発生することも事実です。この「持ち出し」に対して一定のお礼をお支払いすることについて、私はとても合点がいきます。地域課題を住民同士で互いに助け合い、他者に感謝して解決しましょう。
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