オヒシバ(雄日芝)は、イネ科オヒシバ属の一年生雑草で、本州以南では農耕地以外の道端や庭先でも普通に見られます。日当たりのよい場所を好み、ほかの雑草が生えないような、踏み固められて、土がむき出しになった地面で生育環境の厳しいグラウンドにもよく見られます。
生育期間は4月ごろから10月ごろまでと長く、その間に何世代もの発生を繰り返します。繁殖力が強く増殖速度も速いため、野菜畑などでオヒシバがよく繁茂します。カメムシなどの害虫のすみかとなり、作物への被害が出ます。
生育環境により草丈は異なり、短いものでは30~80cmほどになります。葉は細長くやや硬めで、縁には柔らかい白い毛が生えています。茎が分岐して株立ちし、ひげ根を強く張るため引き抜くのは困難です。
8月ごろ茎の先端に数本の緑色の穂が放射状に出ます。穂が見え始めてから2週間で種子が形成されます。
除草剤散布により枯らしますが、近年では除草剤で枯れなくなり、オヒシバを枯らす効果のある除草剤が開発されています。
豊明市史(自然)執筆員 小笠原 昇一
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