豊明市長 令和場所 其の五十六

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◆SNS上の誹謗中傷はとても卑劣で悲しい
豊明市長　小浮 正典(こうき まさふみ)
当文章を書いているのは8月。パリ五輪真最中です。この五輪出場選手や審判に対してSNS上での誹謗中傷が世界で後を絶ちません。
私はこのSNSで誹謗中傷をする人たちは人生で一度も全身全霊で何かを乗り越えようとしたことがない残念な人たちだと考えています。私も平凡ながら元スポーツ選手です。五輪やパラ五輪に出場するレベルのトップアスリートが想像を絶する努力をしていることは容易にわかるので、初戦で敗れた人も含めすべてのオリンピアンやパラリンピアンに尊敬しかわきません。
SNSそのものの機能は私も評価します。世界中の人とつながりを持てたり、遠ざかっていた人と再び交流できたりするなど、素晴らしい面もあります。一方で十分な情報を持たずに誤った理解のまま間違った情報を投稿したり、匿名性をいいことに無責任に相手を攻撃したりするなど、人を傷つけるだけの誹謗中傷は悲しいだけです。
スポーツであれ、芸術であれ、人類の到達点を超えようと努力している人たちはみんなで応援しましょう。SNSで誹謗中傷のコメントをスマートフォンで送り出す無駄な時間があれば、今の自分を一歩でも二歩でも超えられる何かを自分で行いましょう。努力をしない人の人生は好転しません。
柔道男子60キロ級準々決勝で審判の「待て」がかかった後も絞め技を受け、失神と判断されて結果として敗れた銅メダリスト永山竜樹選手は相手選手や審判への誹謗中傷に対し、「お互いに必死に戦った結果なので、誹謗中傷を控えてください」とコメントしました。永山選手は苦しい練習を長年積み上げてこられたからこそ、相手の努力も理解されているのです。私は永山選手こそ国技でもある柔道の鏡であり、真のオリンピアンだと尊敬します。