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とよあけ花マルシェコラム

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愛知県豊明市

全世界の経済を停滞させた「コロナ禍」と呼ばれた期間を過ぎ、そこから1年程たった令和6年は、個人投資ブームで湧いた年となりました。
「いや〜、女房がわしの銀行預金を全部投資に回せってうるさかったな〜!」「まぁ!蓄えのおありになるお家はよろしいですわね、どこかにお金の生(な)る木でもないかしら?」ほんとにね〜!そんなものが有れば、私もお目にかかりたい…って実はあるんですね〜!「えっ?」はは、といっても枝に次々とお金が生るわけではないですけどね。
「金のなる木」というのは、ベンケイソウ科クラッスラ属に分類される園芸種「カゲツ」の商品名です。原産地はアフリカ南東部およびマダガスカルで、原種の和名はフチベニベンケイです。「へぇ、金のなる木は正式名ではないのね?」そう、カゲツの葉は多肉質で丸く、欧米では、これを硬貨に例えて「マネーツリー」と呼んでいます。この名称が昭和初期に日本に伝わり「金のなる木」になったと言われています。
しかし、この呼び名が世間に広まったのは昭和後期になってからでした。昭和50年代、愛知県作手(つくで)の高橋市造(たかはしいちぞう)は、カゲツの新芽が展開する前に、5円玉硬貨の穴に新芽の先を通し、その後新芽が展開すると、葉と葉の間に硬貨が存在するまま、もう硬貨を枝から取り外せなくなるという仕立を考案しました。これを一鉢の中にあるいくつかの枝に施すことによって、まさに金のなる木の様相を作り上げたのです。この商品が世間に流通し、「金のなる木」の呼称を決定付けることとなりました。ちなみに昭和後期時点では、日本に流通するカゲツの園芸種のほとんどは花の咲かないものでしたが、高橋市造はその後花付きの良い種を見出して商品化し、これが平成期以降国内に広まりました。「金のなる木に花が咲くなんて、これはめでたいことです。」ほんとですね〜。ただし、花が咲くカゲツの葉は、金のなる木としてデビューした品種の葉に比べ、少々細く小さめで、硬貨の形っぽくはないですけどね。まぁ縁起を担(かつ)いで、金のなる木と花の咲く木の両方をお家におかれることをお勧めします。
「あなた、なんか宣伝してない?」いや〜、もともとお花をお勧めするのが本職ですから!と、落ちのついたところで、今月はここまで。皆さん良いお年をお迎えください。

執筆/愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦

※写真は広報紙34ページをご覧ください。

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