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とよあけ 花マルシェ コラム

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愛知県豊明市

”♪ハーオイドメイリディモーリーフアー ハオーイドメイリディモーリーフアー♫”「って、いったい何ですの?いきなり見慣れない漢字をお並べになって!」いやいや、失礼しました。初夏が近づいてくると、中国花文化研究家でもある身としては、ついついこの歌を口遊んでしまうんですよ〜!これは「茉莉花(モーリフアー)」という歌で、モーリフアー、つまりマツリカの花の歌です。「ということは、今月はマツリカのお話ですね?」はい、これから真夏に向かってマツリカの花が旬になります。
マツリカはモクセイ科ソケイ属の一種で、東南アジアからインドの熱帯に生息する半蔓性の花木です。日本への渡来は『新撰類聚往来(しんせんるいじゅうおうらい)(丹峯和尚(たんぽうおしょう/明応(めいおう)〜永正(えいしょう)頃)』草花并美木者(そうかならびにびもくもの)の章に「茉利花(まつりか)」とあることから、15世紀にはすでに渡っていたと考えられます。「えっ、熱帯花木なのに室町時代でも栽培できたの?」鋭い!マツリカの耐寒性は10℃くらいです。この時代での栽培はかなり大変だったでしょうから、おそらく中国から伝わった本草書などの記述やお茶に混じって来た花弁の乾燥したものとして知られていたと考えるべきでしょうね。「へぇー。マツリカの花をお茶に混ぜるんですか?」そうですよ!マツリカ最大の特徴はその芳香性で、とても強い香りがします。マツリカの通称はジャスミン。ジャスミンティーとは緑茶にマツリカの花の芳香成分を染み込ませたものなんですね。ちなみに本場中国でのジャスミンティーの呼称は茉莉花茶(モーリフアーチャー)です。「お、またモーリフアーに戻りましたね?」はい、冒頭の歌「茉莉花(モーリフアー)」は日本の歌でいえば「サッちゃん」とか、季節感でいえば「茶摘みの歌」のような、とてもその国の人の心に染みる歌なんです。音符が無いので伝わりづらいと思いますが、曲が流れれば、きっとどこかで聴かれたことがあると思いますよ。この歌詞の意味は「とっても綺麗なマツリカの花、あたり一面香(かぐわ)しく、枝には花芽がい〜っぱい。匂い立つ真っ白な花をみんなが褒めたたえます…」といった感じです。
さて、これから日々暑さが増し、お茶の時間が大切になっていきますが、たまには中国の愛唱歌などを聴きながら、ジャスミンティーというのも一興だと思いますよ〜。

執筆/愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦

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