◆ノコンギク~市内で見られる野菊~
秋の花の代表格と言えば菊。全国各地で菊花展が開かれ、丹精込めて育てられた花々が私たちの目を楽しませてくれます。一方野外で深まりゆく里山の秋を感じさせてくれるのが野菊です。なかでもノコンギクはその代表種で、豊明市内にも自生しています。
花は直径約2.5cm、花びら※は白またはうす紫で、花の中央が黄色く、まわりの緑の草から立ち上がって咲く姿はよく目立ちます。散策のときなどこの花を見つけると、秋本番の到来に気づかされます。文部省唱歌「野菊」の歌詞には 「こ寒い風に ゆれながら けだかくきよく におう花」との一節があります。季節の移ろいの中で花開く清楚な野菊にぴったりの表現ではないでしょうか。
里山の植物は私たちのまわりから次々に姿を消していきますが、嬉しいことにノコンギクはまだ市内あちこちの草地や林縁で見ることができます。さわやかな秋晴れの中、皆さんも野菊に出合う散策に出かけてみませんか。
※キク科の植物では、一見花びらに見えるのはその1枚1枚が舌状花とよばれる1つの花で、花の中央部分は筒状花と呼ばれる花の集合体になっています。
豊明市史(自然)執筆員 浅野 守彦
<この記事についてアンケートにご協力ください。>