平成16年9月9日未明、豊明市沓掛町地内の一般民家から出火し、住宅が全焼。焼け跡から母子4人の遺体が見つかるという、殺人・放火事件が発生しました。
5年、10年、15年、20年と時が経過していく中で、時効撤廃といった社会の変化とともに、事件の風化も進んでいます。そして、今もなお未解決事件として愛知警察署の捜査員による捜査が続けられています。この事件がなければ、子どもたちは立派な大人になっていたはずです。このような事件が二度と起こらないようにするためにも、ここ豊明で育った母子4人を忘れてはなりません。なぜこの事件は起きたのか、なぜ母子4人は命を落とさなければならなかったのか、犯人を検挙し、真相解明、再発防止を進めなければなりません。
◆愛知警察署特別捜査本部による捜査
愛知県警察は、殺人・放火事件として愛知警察署に特別捜査本部を設置し、約20年の間で、延べ54,380人の捜査員を投入しています(令和6年6月末現在)。現在も解決に向け、捜査を続けています。当時のことについて、知っていること、思い出したこと、事件に関する情報をお寄せください。あなたの情報が事件解決の大きな手掛かりになります。
《情報提供は愛知警察署特別捜査本部【電話】0561-39-0110 へ》
〇愛知警察署長からのコメント 事件の発生から20年。
被害者の無念、ご遺族の無念に応えることができず、未解決のまま20年という年月が経過したことを重く受け止めています。
我々警察は、「犯人を絶対に許さない。絶対に諦めない。」という信念で現在も捜査を継続しています。
20年が経過する今だから話せること、見たこと、聞いたこと、思い出したこと、ぜひとも愛知警察署特別捜査本部に情報提供をお願いいたします。
〇現場で火災調査にあたった消防職員からのコメント
私は当時、火災調査員として現場に出動しました。消火活動中に次々と御遺体が発見されたため、当初は火災により発生する一酸化炭素中毒によるものだと思い込んでいましたが、時間の経過とともにどうやら違うらしいという空気が漂い、後に殺人放火事件だったことを知り大変ショックを受けました。鎮火後の建物内は相当な熱気で、所々で鉄骨の柱やはりが湾曲するほど高温にさらされており、所々崩落の危険もあったことを記憶しています。私の経験上、この事件の火災現場ほど凄惨な現場はなく、本当に人間がしたことかと今でも信じられない気持ちです。早いもので沓掛事件から20年が経ってしまいました。改めて事件現場に携わった者として何かできることはないかと思うばかりです。
〇被害者の友人からのコメント
私は20年前の9月9日に、突然同級生を失いました。当時は中学生でした。学校には記者や報道機関が押し寄せ、何が起こったのかと疑問でした。朝礼で事件について話を聞き、話を聞いても現実だと認識するまでに時間がかかりました。当時の葬儀や燃えたお家、ショックで休む友達の様子は、今でも鮮明に覚えています。亡くなった佑基君のことは、忘れません。犯罪は被害者だけでなく、関係のある多くの人の心を傷つけます。犯人が早く捕まることを望むばかりです。
〇ご遺族・天海さん(利代さん実姉)からのコメント
20年前の9月9日未明に豊明市沓掛町石畑で私のたった1人の妹、加藤利代と当時9歳の誕生日を迎えるはずだった正悟、13歳の里奈、15歳の佑基の4人が就寝中に何者かに殺害され自宅が放火されました。犯人はいまだ捕まっておらず未解決のままです。
罪のない子どもまで巻き込んだ母子4人殺人放火事件の犯人が捕まらない、この事実を知って欲しい。住宅街で起きたこの恐ろしい事件は地域の人の助けなしでは絶対に解決しません。小さなことでも構いません。思い出した事があればお知らせください。
※写真は広報紙8ページをご覧ください。
問合せ:防災防犯対策課交通・防犯係
【電話】0562-92-8305
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