加茂市長 藤田明美
令和4年度決算から加茂市の財政状況をご説明いたします。実質単年度収支、財政調整基金、経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率について解説し、主要な指標について加茂市の過去の数値と比較しながら財政状況をチェックします。
なお、令和2年度から令和4年度までの行財政健全化推進計画において、目標に掲げていました「実質単年度収支黒字化」と「財政調整基金残高3億円」は達成することができました。ご協力くださいました全ての皆さまに心から感謝申し上げます。
しかしながら、今後の財政状況は楽観視できるものではありませんので、引き続き行財政の健全化に努めてまいります。
■実質単年度収支(じっしつたんねんどしゅうし)
当該年度のみの収入と支出の差です。これが赤字になると、その年度の収入だけでは必要な支出がまかないきれなかったことを意味しています。令和4年度も令和3年度に引き続き基金を取り崩すことなく黒字となりました。実質単年度収支が黒字になることで、財政調整基金を積み立てることができるようになります。
■財政調整基金残高(ざいせいちょうせいききんざんだか)
家計の貯金に例えることができます。収入が著しく減った時や一時的な支出が必要になった時などに取り崩しています。行財政健全化推進計画の目標を財政調整基金残高3億円としていましたが、令和4年度末の残高は約10億7100万円となり目標額を上回りました。
表1 令和3年度と令和4年度の主な財政指標の比較
■財政力指数(ざいせいりょくしすう)
財政の豊かさの程度を表し、数値が大きいほど豊かであると判断できます。市の標準的な税収入の標準的な経費に対する割合で過去3年間の平均値です。1を超えると収入が経費より多いと言えます。加茂市の令和4年度の財政力指数は0・410なので収入が足りず、国からの財源に依存している状況です。近年は横ばいで推移しています。
■経常収支比率(けいじょうしゅうしひりつ)
財政のゆとりの程度を表し、数値が小さいほどゆとりがあると判断できます。経常経費(毎年度決まって出ていく支出)の経常一般財源(毎年度決まって入ってくる収入)に対する割合です。令和4年度は97・1%と令和3年度と比較して7・6ポイント悪化しました。令和3年度の一時的な普通交付税の増額に加え、歳入面では市民税が減少したこと、歳出面では職員の退職手当や光熱水費が増加したことなどが主な要因です。
■実質公債費比率(じっしつこうさいひひりつ)
毎年の借入金返済額の財政規模に対する割合で、過去3年間の平均値です。18%以上となると市債の借り入れに許可が必要となります。令和4年度は9・3%と令和3年度と比較して0・2ポイント悪化しましたが、起債許可団体となる18%は大きく下回っています。
■将来負担比率(しょうらいふたんひりつ)
借入金残高など負債の財政規模に対する割合で、将来負担すべき負債額について過大かどうかを測ります。財政調整基金残高の増により、令和4年度は84・4%に改善しました。
表2 その他過去の主な財政指標
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