■ーコミュニケーションの取り方ー
加茂病院 富所 隆
前回はコミュニケーションが健康寿命に多くの影響を与えること。特に、社会的なつながりやコミュニケーションが、ストレス軽減や心の健康を促進すること、さらに認知機能や脳の健康にも関連していることなどをお話ししました。
では、良好なコミュニケーションをとること、つまり人とのお付き合いを円滑にするにはどうすればよいかについてお話しします。
もう数年も前のことですが、長岡でお笑い芸人の『Wマコト』さんの講演を聞くことがありました。医療とコミュニケーションというテーマだったのですが、その時にコミュニケーションの秘訣は、(1)挨拶(2)笑顔(3)傾聴と(4)相槌と話されていました。
この春、加茂病院には10名の新卒者が採用され、新人研修が行われました。その中で小生が最も力を入れて伝えたのは患者さんとの、そして同僚同士のコミュニケーションです。笑顔で挨拶、これでコミュニケーションの半分は成功ですと伝えています。アメリカの哲学者であり、心理学者であるウィリアム・ジェームズの名言でこういう言葉があります。「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」。笑顔は相手だけでなく、自らをも幸せにしてくれると思っています。
話が横道にそれますが、以前勤めていた病院は、毎年10名ほどの新卒研修医が赴任してきました。2年間いろんな診療科を回り、大学で学んだ机上の学問を、今度は実際の現場で体験し、医師として羽ばたく大切な研修期間です。この時期自ら研鑽を積むことももちろん大切ですが、多くの指導医から教えてもらうこともたくさんあります。そんな時、『流石ですね』と言えるような師弟関係を目指しなさいと話しています。うかつに使うと、『なんだ、おれのことを馬鹿にしているのか』と怒られてしまうこともあるので、注意が必要です。
傾聴と相槌の応用編ですね。
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