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自治体の皆さまへ

令和6年度施政方針 この先の「笑顔」を守るために(1)

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新潟県加茂市

本日、ここに、令和6年度予算案及び関連議案を提出し、ご審議いただくにあたり、市政運営に対する基本方針並びに主要事業についてご説明申し上げ、市民の皆さまと市民の代表たる加茂市議会議員の皆さまのご理解とご支援を賜りたいと存じます。

1 基本方針
私は市長就任後、行財政健全化推進計画、総合計画等を策定し、市の財政を立て直すこと及び将来のビジョンを定めることに注力いたしました。将来やるべきことが見えたところで、次のステージとして、将来に向けた持続可能な行財政運営を目指し、令和5年度から、これまで手付かずだった公共施設や機械設備の更新を中心に今後20年の財政シミュレーションを行いました。その結果、予算編成着手時点の最新の結果では、全てを実現した場合、今後20年間で累計収支不足が約120億円となり、年約6億5千万円の収支改善が必要となることが判明しました。
加茂市の財政調整基金残高は令和5年度末に12億8千万円を見込んでおり、これは平成13年度の水準を超えています。それでもなお、事業が集中する令和12年度には財政調整基金がマイナスになってしまうと推計されます。
この原因として挙げられるのが、県内ワースト4位のペースで加速する人口減少、不安定な国際情勢などを背景として続いている物価高騰、大半が十分な維持補修がなされないまま更新期を迎えつつある公共施設の超老朽化の「三重苦」です。これらは一過性の課題ではないので、中長期にわたって今と同様の行政サービスを継続していくことは困難であると考えています。
この将来を回避するためには、将来事業の優先順位付け・取捨選択を行うとともに、既存事業の前例にとらわれない見直しが必要です。現時点の目標として、毎年5千万円程度の収支改善を継続し、令和5年度対比で令和6年度は5千万円、令和7年度は1億円と段階的に改善額を引き上げることで令和13年度以降には毎年4億円程度を将来事業へ投資できる状態を目指します。そのための基金として令和6年度から公共施設等整備基金を設け、まず5千万円の積立を行います。同時に、市民の皆さまに我慢をお願いする期間が少しでも短くなるよう、役割を終えた公共施設や市有地の売却による資金確保といった、これまでの枠組みにとらわれないあらゆる手段を検討・実施していきます。
様々な事業が見直され、困ってしまうと感じられる方の気持ちはとてもよくわかります。私たちもできることなら事業の削減はしたくありません。しかし、やらなければいけません。それは、やらなければ、水が飲めない、トイレの水が流せない、下水が処理できない、危険な道路や橋を直せないといったように、日常生活を送るうえで当たり前のことができなくなるからです。
私には市民の生命と財産を守る責務があります。命あっての教育、福祉、文化・スポーツ活動です。それくらい厳しい状況だということをどうかご理解ください。今だけを考え、未来に投資しないという考え方は改めなければいけませんが、事業を見直していく中で、本当に市民が困らないよう、きめ細かに市民の声を聞いていきます。

この現実と向き合い、令和6年度予算案を編成するにあたり、既存の事業や制度の抜本的な見直しを行いました。無料または安すぎる公共サービスや減少した人口に対しての過剰な公共施設、役割を終えた補助金など、これらは聖域なく見直しを行い、未来のために今何をやめるのか、「スクラップ・フォー・ビルド」の理念にもとづき取り組んでいきます。
そのための基本方針として三つの目標を掲げます。
一つ目は「持続可能な行財政運営を目指す」ことです。
人口減少や少子高齢化、地域のニーズの多様化など、加茂市を取り巻く環境は常に変化しています。そのような環境に合わせて、行政は変化していかなければなりません。また、行政だけでは解決できない課題について市民協働活動の活性化や地域コミュニティの強化を図りながら、「未来への責任」を担っているということを常に意識して取り組んでいきます。
二つ目は「基本的な生活環境を守る」ことです。
加茂市の財政が長期的に厳しい見通しであることの理由として、長い間計画的な維持管理が行われてこなかった水道や下水道、道路などのインフラ資産、清掃センターや消防庁舎・車輌の老朽化があります。これらは、市民生活に最低限必要な社会資本ですが、多くの施設が既に耐用年数を超えています。補助金や公共施設の開館日時を縮減してでも、基本的な生活環境は必ず維持していきます。
三つ目は「質の高い子育て・教育環境を整備する」ことです。
加茂市では、出生数の減少に伴い児童生徒数の減少が加速し、小中学校の小規模化が進んでいます。令和5年の加茂市における出生数は85人でした。それゆえ、少しでも早く、小中学校の適正な規模、適正な配置を進め、子どもたちが伸び伸びと学び、成長することができる基盤をつくることが必要です。その基盤として新しい校舎の建設を目指します。
そして何よりも大切なのは教育の内容です。自分を知ることで自分自身に誇りを持つ。郷土を知ることで郷土に誇りを持つ。そのような「加茂愛」を育む教育及び、多様性が認められ社会の中で個性に合わせて可能性を伸ばす教育環境を目指します。
これら三つの目標は令和6年度だけではなく、今後の加茂市の行財政運営の方針の根幹をなすものと考えています。

2 当初予算の概要
それでは、令和6年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。
令和6年度一般会計予算の総額は、119億8700万円、前年度に比較して3億200万円、2・5%の減となりました。
主要な財政指標については、実質公債費比率は9・4%で0・2%の減、将来負担比率は85・5%で5・1%の減、市債残高は令和5年度決算見込みと比較して4億円減少し、94億円と見込んでいます。
財政調整基金の残高は、令和5年度末が12億8千万円、令和6年度末も同額を見込んでいますが、職員退職手当基金と公共施設等整備基金を新設し、それぞれ7千万円と5千万円を積み立てます。これは、今後の退職金負担を平準化するとともに、公共施設の大規模な更新需要を見越し、計画的な積み立てを行うものです。
これらの指標を注視し、健全な財政運営を行ってまいります。
一般会計と、4つの特別会計の合計額は、185億515万円で、前年度に比較し1億5661万円、0・8%の減となりました。

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