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加茂養生訓 11(憂いて食すべからず、食して憂れふべからず)

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新潟県加茂市

■ーうんちの話 その1ー
加茂病院 富所 隆
明けましておめでとうございます。あれ、これは2月号の原稿ですから、ちょっと時期がずれているみたいですが、お正月休みに書いていますので、お許しください。

さて、今回からは“ウンチ”の話を続けようと思っています。
今、本屋さんで絵本売り場に行くと、必ず一番目立つところに“ウンチに関する絵本”が展示されていることをご存知でしょうか。これだけ絵本が巷にあふれていることからも、ヒトが生まれて最初に抱える悩みは便秘ではないだろうかと勘繰らずにはおれません。確かに腹痛を訴えて病院に来る子供は便秘であることが多く、浣腸をしてあげるとすっかり元気になって帰宅する姿はよく見かけます。実は排便の悩みは決して子ども特有のものではなく、大人や高齢者にとっても大きな悩みの種になっています。今、“ウンチ”はとても注目されている領域です。

ところで、皆さんは、自分の“ウンチ”をしげしげと観察したことはあるでしょうか。昔の汲み取り式トイレでは観察出来ませんが、水洗トイレを利用している方は、たまには自身の“ウンチ”をじっくりと見てあげてください。形はどうか・硬さはどうか・色は何色か・臭いはどうかなど。実は、“ウンチ”にはとてもたくさんの情報が詰まっています。
硬くてウサギの糞のような“ウンチ”は、ストレスを抱え、緊張して生活している人に見られることが多く、下痢や便秘が交互に訪れる人もやはり普段のストレスが原因になったりします。

私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息しており、それらはなんと、1,000種1,000兆個以上という膨大な数に上ります。この細菌は、菌種ごとの塊となって腸の壁にびっしりと張り付いており、あたかもお花畑(flora)のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
次回は、この「腸内フローラ」について、もう少し掘り下げて、お話いたします。

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