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自治体の皆さまへ

未来の健康のために~うおぬま地方の健康調査~

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新潟県南魚沼市

■魚沼コホート研究調査報告
◇コホート研究とは…
生活習慣や体質などの違いにより、住民の健康状態がどのように変化したかを長期にわたり調べる研究です。

◇10年後アンケート調査にご協力いただきありがとうございました
令和5年度で南魚沼市の10年後アンケート調査を完了することができました。ご協力いただいたみなさん、誠にありがとうございました。

《腎臓について知ろう》
腎臓は腰の上の方にある握りこぶしくらいの大きさの臓器で、左右に1つずつあります。

◇腎臓の働き
血液中の老廃物、塩分、余分な水分を「ろ過」し、尿として身体の外に排出します。骨を健康に保つためのホルモンの活性化や、血液の成分の1つである赤血球の合成を促すホルモンを分泌しています。

◇慢性腎臓病(CKD)とは?
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能低下や尿蛋白などの尿の異常が3か月以上持続している状態の総称です(表1)。CKDになると、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気になりやすくなることがわかっています。CKDの初期はほとんど症状はなく、知らないうちに少しずつ進行していき、やがて貧血、倦怠感などの症状があらわれます。現在のところ、進行したCKDを元通りに治すことは困難であるため、早期発見し、進行させない事が重要です。高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満などの生活習慣病が原因となることもあります。CKDやその原因となる生活習慣病の発見には健診が欠かせません。健診結果の「尿検査」の欄と、「eGFR」の値に注目してみてください。
※1 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023,日本腎臓学会.

〔表1 慢性腎臓病(CKD)の定義※1〕
(1)、(2)のいずれか、または両方が3か月以上続く場合
(1)尿異常や画像診断などで腎障害がある場会(特に尿蛋白1+以上)
(2)腎機能低下(eGFR60未満)

◆『うおぬま地方の健康調査』からの研究報告~慢性腎臓病(CKD)の気づきについて~
今回、『うおぬま地方の健康調査』の5年後アンケートの「今までに、医師からCKD(尿検査異常や腎機能障害)といわれたことがありますか」という質問と5年間の住民健診の結果を照らし合わせて、CKDの気づきの状況を調査しました。
その結果、CKDの人がCKDと気づいている割合は12.4%であり、男女別でみると女性に比べて男性のほうがCKDと気づいている割合が高いことがわかりました(図1)※2。
健康診断の結果や受診勧奨はしっかり確認いただき、自分の健康状態を把握していきましょう。引き続き、CKD対策・予防のための手立てをコホート調査から明らかにしていきたいと思います。

※2 この研究の詳細は、下記の論文に掲載されています。図1は同論文から作図しました
Kabasawa K,et al.Nephrology(Carlton).doi:10.1111/nep.14170.

※以上の内容は、魚沼市と湯沢町の広報紙(3月号)、健康増進医学講座の発行物などにも掲載しています

問合せ:新潟大学大学院医歯学総合研究科健康増進医学講座南魚沼分室
【電話】775・7876

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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