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市長日記ーむーけーげー(無罣礙)ー

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新潟県南魚沼市

■オーケストラがやって来る
南魚沼市長
林 茂男

市制施行から二十歳となる市。記念事業に音楽鑑賞も加えたい、その思いでしたが、国内有数の「新日本フィルハーモニー交響楽団」の招致が決定しました。
「引き受けてもらえないのでは」と緊張しつつ、橋渡しをしてくださった知人と楽団本部を訪れたのは昨年末のことでした。心配に反して快諾いただけることとなり、対応に当たられた総責任者のKさんと話が進む中でした。さすがに当市のことも私のことも調べられている。突然、「自殺率が高いですね」。この話こそ隠さずオープンにすることで改善すべきと任じている私は、「その通りです。雪国鬱(うつ)という特有の病もある。なので音楽の力が欲しい」と言いました。もしかすると私の言葉を待っていたのか、Kさんは「実は…私どもが本拠をおく墨田区は過去には風紀の面で課題が多かった。当時の区長の肝煎りで楽団を誘致したそうで、その後、すばらしい区立音楽堂である「すみだトリフォニーホール」と新日本フィルの存在は正に思い通り、街を変えていったのです」と。区内の全小・中学校での毎年の音楽授業や高齢者・福祉、保育施設や病院といった普段音楽に触れる機会の少ない方々へ生の音楽を届ける精力的な訪問演奏活動。鑑賞だけではない人が繋がりあう街づくりが地元に根差し出し、荒れていた学校や区の成人式も改まったという。Kさんは「音楽の力」を強調された。「全国に2つ、新日本フィルの地方拠点自治体がありますが、これを機に南魚沼市もいかがですか?」と助力の提案まで。夢のようなご厚意にどう応え得るか。
昔懐かしい黛(まゆずみ)敏郎氏の「題名のない音楽会」と並んで人気テレビ番組だった山本直純氏の「オーケストラがやって来た」。二人とも鬼籍に入られて久しいが、私の世代が初めてクラシック音楽に触れたのはここからではなかったか。山本氏と共に創設者だった故小澤征爾(せいじ)氏、今を時めく世界的指揮者の佐渡裕氏やジブリ音楽の久石譲氏を擁する新日本フィル。「新進気鋭の若手指揮者に行ってもらいますから」とKさん。11月10日市民会館で公演、内容は後日広報などで。乞うご期待!

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